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曳家して移築の古民家 地場産業の「藍染め」工程も展示 八潮市立資料館  埼玉「館巡り」

産経ニュース / 2025年2月8日 13時0分

古民家「旧藤波家住宅」の内部=埼玉県八潮市(昌林龍一撮影)

住宅街や工場に囲まれた場所にありながら、大型の古民家を敷地内でみることができる。常設展示室では八潮市の地場産業の「藍染め」の工程を展示。中でも同市で盛んだった「長板中型」の様子を県内でも珍しい人形を使って立体展示している。同館では、藍染め体験(定員制、事前申し込み)を開催しているので挑戦するのもおもしろい。

建物前の大きな石に「水と生活」と書いてある。すぐ近くには綾瀬川が流れている。門から建物までが緩く傾斜が上がっていた。市文化財保護課職員は「資料館はたいてい地下など収蔵スペースがありますが、ここは水害対策で3階で収蔵しています」と説明する。

展示室に入る前に、市指定有形文化財の古民家「旧藤波家住宅」をみた。八條領の後谷村で名主を勤めた家で、明治9(1876)年に建造。資料館開設にともない曳家して移築した。

床の間は埼玉より千葉の間取り

桁行13間(約24メートル)と大型で迫力がある。古民家といえば茅葺が多いが、こちらは瓦葺だ。床の間の配置が「埼玉県内の他の地域の古民家と違い、床の間のある間取りが千葉県の流山や松戸に多いタイプ」(同職員)というのが、八潮の地理的な位置から興味深い。

古民家を出て常設展示室へ。土器や古文書などを歴史順にみていき、注目の藍染め「長板中型」のコーナーへ着く。文字通り、長い板と中型の型紙を使った工法。作業する人形は人の大きさほどあり、工程の様子が生き生きと感じられた。

常設展示室ともに企画展示室があり、現在は「八潮はじまりのムラ」(~3月9日)を開催中。「(八潮の地名の由来である)八條の遺跡が歴史上でどういう位置付けだったのかを見ていだだきたい」と同館職員。どの展示も、地理と歴史が好きな自分には興味深い「館」だった。(昌林龍一)

八潮市立資料館

平成元年、地域の歴史と発展を示す資料を展示する地域博物館機能のほか、古民家展示、文化財センター的機能を併せ持つ複合施設。休館は、月曜、祝日と振り替え休日の翌日(月曜が祝日か振り替え休日の場合は開館)、年末年始。入館無料。午前9時~午後5時(古民家は午後3時45分まで)。会議室や視聴覚講座室の貸し出し有り。【問】同館(048・997・6666)。

八潮市立資料館

平成元年、地域の歴史と発展を示す資料を展示する地域博物館機能のほか、古民家展示、文化財センター的機能を併せ持つ複合施設。休館は、月曜、祝日と振り替え休日の翌日(月曜が祝日か振り替え休日の場合は開館)、年末年始。入館無料。午前9時~午後5時(古民家は午後3時45分まで)。会議室や視聴覚講座室の貸し出し有り。【問】同館(048・997・6666)。

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