ソ連軍による虐殺「葛根廟事件」から79年 犠牲者遺族らが慰霊碑前で冥福祈る
産経ニュース / 2024年8月14日 16時45分
先の大戦末期、満州に侵攻したソ連軍によって日本の避難民が虐殺された葛根廟事件から79年となる14日、遺族らが東京都目黒区の五百羅漢寺にある犠牲者の慰霊碑前に集まり、手を合わせた。
葛根廟事件は昭和20年8月14日に発生。旧満州の興安街に住んでいた日本の民間人が避難の途中にソ連の戦車部隊に襲われ、1000人以上が犠牲になった。遺族らは昭和45年に興安街命日会を設立し、毎年慰霊祭を執り行ってきたが、メンバーの高齢化に伴い昨年、解散した。
今年は慰霊祭を実施しなかったが、遺族ら30人が自主的に集まり、慰霊碑の前で黙禱をささげた。住職がお経を唱える中、焼香をして冥福を祈った。
事件で妹を亡くした大島満吉さん(88)は「組織的な慰霊は終わったが、自主的に多くの人が集まってくれてありがたい。体の自由がきく限り、慰霊を続けたい」と語った。
来年には戦後80年となる中、全国でメンバーの高齢化などによって遺族会の解散が相次いでいる。これまで遺族会が担っていた慰霊式典などの開催も危ぶまれる状況だ。
日本経済大の久野潤准教授(近代日本政治外交史)は「厳密にいえば犠牲者の遺族がいなくなることはないので、関心や興味の低下が要因だ。日本人として『先輩』の受難を知って伝える努力を続ける必要があるので、こうした自主的な形でも実施することが重要だと思う」と話している。(大森貴弘)
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