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こしがや能楽堂(越谷市)県内唯一、全国でも数少ない屋外能舞台と庭園の一体美 埼玉「館巡り」

産経ニュース / 2024年12月21日 13時0分

後方にこしがや能楽堂が望める日本庭園「花田苑」=12月、埼玉県越谷市(昌林龍一撮影)

古典芸能の「能」を上演する舞台やイベントが開ける和室などを備える「こしがや能楽堂」。埼玉県内では唯一、全国でも数少ない、屋外にある木造の能舞台を持つのが特徴だ。

筆者はかつて、能を鑑賞したとき、主役である「シテ方」が装着する「面(おもて)」(能面)が、まるで生きているかのような表情に惹かれた。本格的な屋外の能楽堂が県内にあると知り、越谷市に向かった。

定期的に薪能や能楽の会を開催するが、公演日以外も能舞台をロビー棟のガラス越しに眺めることや展示室を見学することができる。楽屋や和室に上がるには、施設への事前申請と綿の白足袋の持参が必要だ。

「観世流のシテ方の方が越谷市出身」(市生涯学習課)などの背景もあり、同市は平成2年度から日本を代表する古典芸能「能楽」による文化のまちづくりに取り組み、同能楽堂を平成5年に開館した。

屋外に舞台があることで、周囲にかがり火を焚いて行う「薪能(たきぎのう)」を幻想的に鑑賞することができる。

市は、施設を茶会にも貸し出しているため焙じ室を備える部屋や茶会を開催できる和室がある。展示室には面や装束の唐織(からおり)の装束が置かれている。

イベントが豊富だ。能楽の歌にあたる謡曲と所作である仕舞(しまい)の1日体験教室(無料)や、本格的に学べる連続講座(謡曲と仕舞の2コース。1コース1万4千円)などがある。

能楽堂の正門を出て左に150メートル歩くと、日本庭園「花田苑」の入り口の長屋門がある。右手に券売機があり入場券を買い持参して入ると、目前に大きな池が広がる。紅葉時にはモミジが美しい。右手に行くと茶室があり借りることもできる(2千円~)。池越しには能楽堂の施設が望め、一体となった美しさに心ほっと癒やされた。(昌林龍一)

■アクセスガイド 埼玉県越谷市花田6の6の1。東武伊勢崎線越谷駅東口の朝日バス4番乗り場から花田循環など3系統で花田苑入口下車。高速道路利用の場合、東北自動車道浦和インターチェンジ(IC)から約20分。午前9時~午後9時半。駐車場有。水曜休館(水曜日が祝日の場合は次の平日)。花田宛の入場料は、100円(小学生以下の入園は成人の同伴が必要)。能楽堂の部屋の予約やイベントの申し込みは「こしがや能楽堂」(048・964・8700)。

越谷市日本文化伝承の館こしがや能楽堂屋外にある能舞台、中庭見所、和室、大広間、応接室などで構成する施設。能の会にくわえ、邦楽、日本舞踊、詩吟、茶道、華道など日本の伝統芸術の拠点施設としてのイベント開催や施設の貸し出しを行っている。隣接して日本庭園「花田苑」があり、日本の古典芸術と日本の伝統的な風景を堪能することができる。

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