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筑波大ご進学、悠仁さまの「帝王学」 キャンパスでは学べない歴代天皇が修めた学問とは

産経ニュース / 2025年1月2日 9時0分

「退位礼正殿の儀」でお言葉を述べられる上皇さま=平成31年4月30日、皇居・宮殿「松の間」

秋篠宮ご夫妻の長男、悠仁さまが今春から筑波大に進学される。18歳で成年皇族の仲間入りをした悠仁さまが、将来皇位に就く立場として修められる「帝王学」のあり方にも注目が集まっている。歴代天皇が古代より研鑽を深め、上皇さまや天皇陛下が向き合われた学びとは、どのようなものだったのか。皇室史の専門家で京都産業大名誉教授の所功氏に話を聞いた。

大事にされてきた「儒教」の教え

「日本の歴史を振り返ると、天皇は多くの場合、政治的な権力を担うよりも、政治家を督励する権威者だった。人々から信頼され、尊敬される有徳者として、歴代天皇は幼少から心を磨く努力を続けてこられた」

皇室における帝王学の意義を、所氏はそう語る。

所氏によると、歴代天皇の主な研鑽のよりどころとなったのは、孔子や孟子が為政者に説いた儒教的な理念だった。「歴代天皇は有能な儒学者から常時進講を受けてきた」という。

こうした学びへのご姿勢は、戦後の象徴天皇と皇太子にも受け継がれている。

所氏が注目するのは、皇太子同妃時代の上皇ご夫妻が東宮御所で、陛下が学習院初等科に通われているころから、論語などの漢籍の進講を受けさせられていたことだ。

陛下の幼少期に、ご養育掛りを務めた故浜尾実氏の著書『浩宮さま 強く、たくましくとお育てした十年の記録』(PHP文庫)にも、陛下が初等科時代に「論語」の素読に取り組まれていたことを示す記述がある。

ともに学ばれ

また、上皇さまは皇室の歴史に関する教育にも力を入れられてきた。

『新天皇家の自画像 記者会見全記録』(薗部英一編、文春文庫)によると、昭和51年の記者会見で上皇さまは、学習院高等科2年生だった陛下に対するご教育について「天皇に関する歴史は学校などで学べないものです。それをこちらでやっていくことはしたい」と方向性を示された。

こうして始まった専門の研究者による歴代天皇の事績に関する講義は、親子で臨まれていたという。

所氏は「皇太子だった上皇さまは進講者に任せきりにするのではなく、自らも先祖の歴史を学ぶ機会にされていた。平成から令和に続く天皇の在り方を形作るうえで、東宮御所内に設けられた、このような学びの機会が大きな役割を果たしているのではないか」と語る。

天皇に必要な道義や礼儀

若き日の陛下が、家庭内で受けた学びの機会を大事にされていたことの分かるエピソードがある。

昭和57年、学習院大卒業の節目で開かれた記者会見。当時22歳だった陛下は、鎌倉時代末期の第95代花園天皇が譲位後、甥にあたる当時の皇太子に書き与えた「誡太子書(太子を誡(いまし)むるの書)」に触れ、「徳を積むためには学問をしなければならないということを説いておられる」「その言葉にも非常に深い感銘を覚えます」と述べられた。

50歳の誕生日に際しての記者会見でも、再び花園天皇に言及されている。

「花園天皇の言われる『学問』とは、単に博学になるということだけではなくて、人間として学ぶべき道義や礼儀をも含めての意味で使われた言葉です。私も、50歳になって改めて学ぶことの大切さを認識しています」

そして、即位後の令和4年の記者会見でも陛下は改めて、「誡太子書」に触れられている。

悠仁さまは今年、皇室の伝統行事「成年式」に臨まれる。令和の皇室は、次の世代の天皇への帝王学をどのように進めていくのか。令和ならではの皇室の課題とともに、専門家の提案を紹介する。

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