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オックスフォードをご散策 両陛下がルーツを確認された旅の締めくくりに 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(6完)

産経ニュース / 2024年6月29日 20時10分

オックスフォード市内のマートンストリートを散策される天皇、皇后両陛下=28日午後(代表撮影)

レンガ造りの建物や石畳の道が歴史を感じさせる街並みと、緑の調和が美しい、英オックスフォード。天皇、皇后両陛下は英国滞在最終日の28日、それぞれの留学先であるオックスフォード大のマートン・カレッジと、ベイリオール・カレッジなどに足を運び、恩師ら関係者と面会された。

おそろいの真っ赤なガウンで

英国滞在中、唯一のお二方でのプライベートなご日程。取材はごく短時間に限られたが、より柔らかな両陛下のご表情が垣間見えた。

クライマックスはなんといっても、両陛下がおそろいの真っ赤なガウン姿で臨まれた、皇后さまの名誉学位授与式だ。

今回のご訪英に際し、大学側は皇后さまが優秀な学生であったことや、法律、国際関係の研究にひたむきに取り組まれたことなどを理由に、名誉法学博士の学位の授与を決めた。ちなみに、天皇陛下も平成3年、同様の名誉学位を受けられている。

お二方はガウンをまとい、大学関係者らとともに授与式の会場まで行進。その様子を一目見ようと、会場周辺には学生や観光客ら多くの人が集まった。

宮内庁によると、式では、ラテン語で授与の理由が読み上げられ、皇后さまが名誉学位をお受けに。入退場時にはトランペットが演奏され、式の最後には、大学の聖歌隊が歌唱を披露したという。

陛下の母校、マートン・カレッジでは、チャペルや陛下が留学時代に使用していた部屋などをお二方で見学された。

石畳の道を歩いてカレッジに入る際には、居合わせた人から、「お帰りなさい」と声をかけられ、陛下は「どうもありがとう」と応じられていた。胸元の紺地のネクタイは、留学時代に自ら購入したものだったという。

両陛下はこの日、午前中にロンドンの宿舎を出た後、夜、空軍基地から政府専用機で日本へ向けて出発される直前まで、オックスフォードを満喫された。

「プリンス・ヒロ」の再訪を歓迎

「お帰りなさい」「Welcome back」

22日から7日間に渡った両陛下の英国ご滞在では、行く先々で、人々の温かな歓迎の言葉が聞かれた。

国賓としての晩餐会など、格式の高い公式行事においても、どこか温かな、親密さに満ちた雰囲気が醸成されていたのは、「プリンス・ヒロ」として2年4カ月、英国で学ばれた陛下の「再訪」に対する英国の人々の好意的な感情があったからではないだろうか。

「本当にたくさんのお知り合いがいらっしゃった。そうした関係を、本当に大切にしておられたのだと思った」。訪問に同行した宮内庁幹部は、こんな感想をもらした。

ご留学経験と天皇の国際親善

今回の旅は、陛下が天皇としてのお立場で、皇后さまとともにご自身のルーツを再確認される旅となった。戦後の厳しい時代に訪英した昭和天皇、上皇さまの足跡をたどり、さらにグローバル化した現代社会の中で、ご自身は国際親善にどのように向き合っていくかを確かめられた。

「オックスフォードで日常的に見られるような、国を越えた人と人とのつながりが、やがて世界中の国々や人々との前向きな関係を紡ぎ出すものに発展していけば」

陛下は28日、オックスフォードの関係者との昼食会で、こんな言葉を述べられた。ご留学中の経験が、陛下の国際親善における考え方の根底にあるということを、この取材で確信した。

また、陛下が同じ英国留学を体験された皇后さまとともに、ご自身のルーツに立ち返られたことは、お二方の絆をいっそう、強固なものにしたのではないだろうか。

羽田に向かう政府専用機の機中で、少しずつ遠くなっていく英国の深い緑の街並みを眺めながら、両陛下のご訪英の意義と、この同行取材の成果に思いを巡らせた。(ロンドン 緒方優子)

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