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皇后さまは純白のドレス 装いに宿る訪問国への敬意と親愛、ロイヤルファッションの歴史

産経ニュース / 2024年6月26日 20時0分

浩宮時代の天皇陛下のご案内で京都の修学院離宮を楽しむ当時のチャールズ皇太子とダイアナ元妃=昭和61年5月

英国を公式訪問している天皇、皇后両陛下は、国賓としての公式行事に臨まれている。25日のパレードや晩餐会では、皇后さまは純白のドレスを着用された。皇室のファッションに詳しい専門家は「色のご選択に英国への敬意を感じる」と語る。かつて英女王エリザベス2世や、皇太子時代のチャールズ国王の配偶者だったダイアナ元妃も、来日の際に、日の丸の赤と白の装いを身にまとっていたことで知られる。訪問国への敬意と親愛を示すロイヤルファッションの歴史を振り返る。

レースのコートドレス

公式行事の会場となるロンドン、バッキンガム宮殿へと続く大通り「ザ・マル」。同じ馬車に乗りこみパレードに臨まれた皇后さまとカミラ王妃のお召し物はともに純白で、親密な印象を与えた。

皇室の歴史とファッションに詳しい青木淳子さんによると、パレードの際の皇后さまのお召し物は「レースのコートドレス」。

「白い帽子にもおそろいのレースが施され、後ろでやや大きめにリボン状になっており、カミラ王妃のお帽子と並んでも、違和感ないボリュームだった」と振り返った。

皇后さまはこの日の晩餐会も白系のドレスを着用された。

青木さんは「イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという英国を構成する4つの国の国旗に共通する『白』を選ばれたのではないか。英国の国の成り立ちや歴史へのご洞察があり、英国への敬意を示されたのではないかと拝察する」と語る。

エリザベス2世はパレードで

歴史を振り返ると、英国王室メンバーが来日した際も同様だった。

昭和50(1975)年5月、来日中のエリザベス2世は夫のフィリップ殿下と東京都内でパレードに臨んだ。帝国ホテルから国立劇場までをオープンカーで巡った。

その際のエリザベス2世の装いについて、当時の産経新聞では「赤地に白の変形千鳥格子」と紹介している。

青木さんは当時の映像や画像を見ながら「赤の分量が多い分、帽子やバッグ、パンプス、手袋の白がバランスよく装いを引き締めている」と分析。

「パレードという日本国民に自身の姿を見せる場面で、日本の国旗の配色を選択された。沿道で国民が振る日の丸とユニオンジャックの小旗と、赤と白の女王の装いが親和性を感じさせる光景だった」と語る。

ダイアナ元妃は赤い水玉ワンピース

さらに強く、日本への親愛の情を印象づけたのは、61(1986)年、当時のチャールズ皇太子とともに来日したダイアナ元妃のファッションだ。

チャールズ皇太子とダイアナ元妃は、来日2日目、浩宮時代の天皇陛下のご案内で、京都の修学院離宮を見学した。

《ダイアナ妃は日章旗をイメージさせる白地に赤の水玉模様のワンピース》

ダイアナ元妃の様子を当時の産経新聞は《鮮やかな水玉ワンピース》の見出しを付けて活写した。

このワンピースはロンドンで妃自身が見つけた既製服だったといわれている。

「一見カジュアルに見えがちだが、アクセサリーなど小物のコーディネートで上品にまとまっている」と青木さん。

「来日を控え、白地に赤模様のドレスに、ダイアナ妃はピンとひらめかれたのでしょう。柔軟な遊び心と親日感情がこの装いからも伝わる」と話す。

上皇后さまもきめ細やかなご配慮

皇室の外国訪問時の装いはこれまでも話題になった。平成時代には、上皇后さまがエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国を訪問した際、各国の国旗の配色を、服装やアクセサリーに取り入れられていた。

5月にギリシャを訪問された秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまの青と白のコーディネートも、ギリシャ国旗の配色と重なり、注目が集まった。

青木さんは「日本の女性皇族方もまた相手国への敬意を装いで表現なさってきた。ファッションは、言葉を介さなくても、自分の思いを表現でき、また相手の思いをそこからくみ取れる『ノンバーバルコミュニケーション』の一つのツールでもある」と話している。(篠原那美)

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