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2代の天皇に思い重ね「未来」に焦点 世界に視野、いっそう親密に

産経ニュース / 2024年6月26日 17時47分

【ロンドン=緒方優子】「悲しむべき時期」「暗い時代」-。25日の晩餐(ばんさん)会で交わされた天皇陛下のお言葉とチャールズ英国王のスピーチは、いずれも両国が敵対した先の大戦の歴史に間接的な表現で触れながら、それを乗り越えた両国の「絆」と「未来」に焦点を当てた内容となった。

陛下はお言葉で、祖父の昭和天皇、父の上皇さまに思いを重ね、継承の姿勢を示された。戦後の「苦難のとき」を経て、訪英した2代の天皇が念願した「心を開いた話合い」「真の相互理解」が実を結び、今、多様化・複雑化する国際社会で両国が「世界を牽引(けんいん)」していると述べられた。

国王もまた、過去の教訓は、「相互理解」につながっているとし、両国は「目指す未来について理解を共有している」と強調。陛下のお言葉と響き合った。

お言葉とスピーチには、その他にも多くの共通のテーマがみられた。政治・外交、経済、文化・芸術などさまざまな分野での交流や、若者の往来の促進、地球規模の課題への対処-。「日英の関係が緊密だということだけでなく、世界の課題に日英が貢献していくという、あるべき方向について、共通していた」。宮内庁幹部は、そう受け止めた。

国際会議などで英語で講演を重ねてきた陛下は今回、英語で答辞を述べられた。見つめ合い、同じタイミングで笑い合われる陛下と国王の姿は、両国の親密さをいっそう印象付けた。

淑徳大兼任講師・舟橋正真氏(日本近現代史)の話

上皇さまが26年前の晩餐会で「深い心の痛み」と戦争に言及されたのに対し、天皇陛下は「悲しむべき時期」といった表現にとどめられた。戦後生まれの陛下が語ることのできる言葉を選ばれたのと同時に、日英の戦後和解が進み、顕在化した問題がない現状を反映しているともいえる。

俯瞰した表現や格式ばった言葉よりも、平易で具体的な表現を用いられる語り口は、今の陛下らしい。「若者や子供」「皇后と共に」といった言葉からも、令和の象徴像が改めて垣間見える。過去、現在、未来を網羅したスピーチの交換により、世界の中での日英関係を相互に確認する機会になったのではないか。

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