1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

天皇陛下「再会」の旅路で旧交温め、感謝お伝えに 「あの時期をとても楽しみました」 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(3)

産経ニュース / 2024年6月25日 9時0分

日英友好団体が主催したレセプションで、あいさつされる天皇陛下=6月24日、ロンドン(代表撮影)

「加藤節雄さんですよね」

天皇、皇后両陛下のご訪英3日目となる24日、ロンドンのホテルで行われた日英友好団体主催のレセプション。日本と英国の友好親善に尽力した関係者ら、およそ400人の熱気に包まれた会場で、天皇陛下は、オックスフォード大留学中に知り合ったフリージャーナリストの加藤節雄さん(83)にこう、声をかけられたという。

「まさか、自分の名前をフルネームで覚えていてくださるとは」(加藤さん)。短時間の会話だったが、加藤さんが陛下の留学当時、同行取材をしたことに触れると、陛下は「あの時期を、私はとても楽しみました」と懐かしまれたという。

「陛下にとって、留学は人生の中で本当に大切なご経験だったのだと改めて感じました」。加藤さんは、そう話した。

皇后さまのお気持ちも

陛下がオックスフォード大に留学されていたのは、昭和58~60年。今回のご訪英は、陛下が濃密な時間を過ごされた留学時代の知人との旧交を温める、「再会」の旅路にもなっているように感じる。

23日には宿泊先のホテルで、日本にゆかりのある英国人らとご面会。その中に、オックスフォード大のアーサー・ストックウィン名誉教授がいた。

英語で行われた主なやりとりは、次のようなものだった。

「私たち、お会いしたことがありますよね。ずいぶん前に」。ストックウィン氏がほほえみをたたえながら、ちゃめっ気たっぷりにあいさつすると、陛下は「お会いできてとてもうれしく思います」と心を込めて応じられた。

陛下はご留学時代、ストックウィン氏と交流があり、同氏のセミナーに参加したこともあったという。陛下とは別の時期にオックスフォード大に留学していた皇后さまも同氏と面識があり、陛下は「くれぐれもよろしくお伝えくださいと話していました」と、体調をみて出席を控えられた皇后さまのお気持ちも伝えられた。

亡くなった警護官への感謝

取材の入る場所とは別に、プライベートな空間で静かに行われたご面会もあったようだ。

宮内庁によると、陛下は24日夕方、留学時代の警護を担当した2人の英国人警護官のうち、ロジャー・ベーコン氏(故人)の夫人と、宿泊先のホテルで私的に面会されたという。英国政府を通じて面会の申し出があり、陛下のお気持ちにより実現した。

陛下は留学時代の思い出をまとめたご著書「テムズとともに」に、2人の警護官について、「警護という役割を越えて、イギリスのことを知るのには絶好の先生でもあった」とし、「二年間を有意義に使えたかげには、彼らの尽力があった」とつづられていた。ベーコン氏については、「いかにもイギリス人らしい人」と親しみを込めて述懐されている。

陛下のご訪問は当初、令和2年春に計画されたが、新型コロナウイルス禍で延期となった。知人によると、ベーコン氏はその後、亡くなったという。本人との再会は実現しなかったが、夫人とのご面会は、「感謝のお気持ちがあるからこそだと思う」。宮内庁幹部はそう、おもんぱかった。(ロンドン 緒方優子)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください