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晴れやかなご表情、国際親善の旅始まる ホテルへ向かわれるルートに「英国側の配慮」 天皇、皇后両陛下ご訪英同行記(1)

産経ニュース / 2024年6月23日 9時30分

ロンドン市内のホテルに到着された天皇、皇后両陛下の車列。「国王のベントレー」と呼ばれる、国王から国賓に貸与される特別な車を利用される=22日午後(代表撮影)

天皇、皇后両陛下が英国に到着された。両陛下にとって、国際親善目的では即位後初めての英国ご訪問で、日本の天皇皇后の国賓としての訪英は26年ぶり。両陛下のゆかりの深い英国ご訪問の舞台裏を、同行記者がつづります。

明るい水色のお召し物

22日午前10時40分、快晴の羽田空港。日英両国の国旗がはためく駐機場に、重要行事に臨まれることを示す赤地の「天皇旗」を掲げた天皇、皇后両陛下の「御料車」が到着した。

ほどなくして貴賓室から姿を見せた両陛下は、見送りの関係者らにあいさつし、最後に秋篠宮ご夫妻と丁寧に会釈を交わしてタラップへと進まれた。

一昨年、英女王エリザベス2世の国葬参列のため英国へと向かわれる際には、色を抑えたグレートーンの服装に、マスク姿だった両陛下。今回、陛下のネクタイと皇后さまのお召し物は明るい水色でそろえられ、青空の下で見送りに応じられるお二方の晴れやかな笑顔には、コロナ禍による延期を経て実現した英国訪問への感慨がにじんでいるようにも見えた。

防衛省が運航する政府専用機

両陛下が搭乗されたのは、両翼と尾翼に日の丸を配した政府専用機。防衛省の特別航空輸送隊が運航しており、機内での飲み物や食事の提供などのサービスも航空自衛官が担う。メニューもさまざまで、この日のドリンクリストには、石川県能登半島最古の蔵の日本酒などが並んでいた。ただ、両陛下のお席とは区画されており、同行記者が機中のご様子をうかがい知ることはできなかった。

午前11時すぎ、専用機は離陸。直後、「線状降水帯により大きな揺れが予想される」とのアナウンスがあったものの、安定した飛行が続き、高度を上げて雲海のはるか上に達するころには、昼食の提供も終わって機内も静まり返っていた。

英国王のベントレー

出発から約14時間後、専用機は無事、ロンドン郊外のスタンステッド空港に到着。英国の午後6時前、周囲は昼間のように明るい。タラップに姿を見せた両陛下は、長時間のフライトの疲れを感じさせない穏やかな表情で、出迎えた関係者一人一人と握手を交わされた。

その後、両陛下は「国王のベントレー」と呼ばれる、国王から国賓に貸与される特別な車で、宿泊先のロンドン中心部のホテルへと向かわれた。

宮内庁によると、道中では、国賓の歓迎式典が行われるホースガーズ広場や、馬車列が走るザ・マルと呼ばれる大通り、さらに、バッキンガム宮殿の周辺も通られた。「英国側の配慮が感じられるルート」(同庁幹部)だったという。

国賓としての公式行事は25日から、3日間にわたり行われる。 (ロンドン 緒方優子)

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