肉眼で見える可能性も 長い尾の紫金山・アトラス彗星、20日にかけ日暮れ後の西の空に
産経ニュース / 2024年10月16日 16時35分
全国で観測できたという報告が相次いでいる「紫金山(しきんざん)・アトラス彗星」が、20日にかけて見頃を迎える。条件がそろえば、西の空で日暮れから数十分程度、肉眼でも尾を引く姿が確認できる可能性があるという。
国立天文台によると、今回の彗星は当初の想定より明るくないものの、16~20日は空が暗くなる午後6時ごろから西南西方向で確認できる可能性があるという。10月中旬以降、街明かりの少ない地方では「肉眼で長い尾を見ることができた」との報告が相次いでいるほか、羽田空港など東京都心でもぼんやりと雄姿を確認できたとの報告例もある。
西側の低い空は日が沈んでも薄明かりが残ったり、地上の明かりやもやの影響を受けたりしやすい。国立天文台の担当者は「空が暗いことが条件になるが、4年前のネオワイズ彗星よりも肉眼で観測できる可能性がある」としている。時間とともに彗星の高度が低くなるため、日暮れから数十分程度が肉眼で確認できるチャンスだという。
16~20日の彗星の明るさを示す予想等級は東京の場合、2~4程度。双眼鏡や望遠鏡を使えば観察しやすくなる。写真撮影は11月以降も可能だという。
彗星は氷を含み、二酸化炭素やガス、ちりなどから成る小さな天体。太陽に近づき氷が溶けるとガスなどを放出して尾を引いているように見える。現在、紫金山・アトラス彗星は太陽系から離れる軌道を描いており、地球で観測できるのは今回が最後。20日以降は地球からかなり離れ、暗く小さくなっていく。
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