<独自>太陽光の被災時活用へ事業者に自治体協力の努力義務 経産省が指針改正、4月から
産経ニュース / 2025年1月27日 19時1分
経済産業省が今年4月、全国に導入される小規模な太陽光発電設備について、災害時に地域の被災者が活用できる仕組みを整えることが27日、分かった。国の固定価格買い取り制度(FIT)による交付金を認定する際、事業者に対し災害時に自治体と協力することを努力義務として課す。
月内に開催される有識者会議で議論し、再生可能エネルギー特別措置法に基づく「事業計画策定ガイドライン(指針)」を改正して、4月から適用する。
発電出力10キロ~50キロワットの小規模な太陽光発電事業者を対象にFIT交付金を認定する際、災害時に自治体との協力を求める。例えば、立地する自治体と連携協定を締結し、設備に備え付けた給電用コンセントを発災後何時間以内に被災者向けに開放するかといったことを取り決める。自治体の防災計画への反映や、避難訓練への参加なども努力義務として課す。
FITは割高な再エネの発電コストを補うため事業者が交付金を受け取れる制度で、2012年に創設された。ただ、投資目的によるトラブルが続発したことなどを受け、20年に小規模設備は発電電力の30%を自家消費することや、災害時の自立運転、給電用コンセント設置などの地域活用要件が義務付けられた。
とはいえ、こうした取り組みが自治体に認識されず「災害時に十分に活用されていないケースが散見される」(経産省担当者)。経産省は今後、認定事業者の情報を自治体へ積極的に伝えるとともに、事業者と自治体の連携を促すよう制度を見直す。
国内で導入された太陽光発電の平地面積当たりの設備容量(1平方キロメートル当たり514キロワット)は、主要国で最大だ。ただ、適地が少ないため住宅地近くなどに分散して設置されており、特に事業用では小規模設備の比率が欧州などと比べ高い。経産省ではこうした特性を生かし小規模設備を積極活用することが災害対応では重要だと考えている。
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