西山朋佳女流三冠、プロ編入試験に敗れ不合格 初の女性棋士誕生ならず

対局を終え、会見に臨む西山朋佳女流三冠＝22日午後、大阪府高槻市の関西将棋会館（柿平博文撮影）

将棋の棋士を目指す西山朋佳女流三冠（29）＝白玲・女王・女流王将＝は22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で棋士編入試験五番勝負の第5局に臨み、柵木（ませぎ）幹太四段（26）と対戦して敗れ、対戦成績2勝3敗で不合格となった。期待された初の女性棋士誕生はならなかった。

西山女流三冠は対局後、「思わしくない序盤にしてしまい、いい手が見つけられず、苦しい将棋だった」と振り返りつつ、編入試験の5人の試験官に対して「難しい立場で、忙しい中、向き合ってくださった」と感謝の言葉を述べた。

棋士は女流棋士とは別制度で、養成機関の奨励会に入って四段に昇段するか、編入試験の合格が条件となっている。西山女流三冠は奨励会で三段まで昇段したが、女流棋士に転向。最終局の試験官を務めた柵木四段は奨励会三段リーグの同期で、在籍中の対戦でも苦戦した相手だった。

今後も受験条件を満たせば編入試験に再挑戦できるが、「今日のことだけを考えてきたので、今後のことは家に帰っていったん整理してから考えたい」と話した。

編入試験は昨年9月から始まり、西山女流三冠は2勝2敗で女性初の棋士に王手をかけていた。現行制度の編入試験を受験するのは5人目で、女性では福間香奈女流五冠（32）に続き2人目。他の3人は合格している。