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名水求め森林浴を楽しみながら源泉へ、「尚仁沢湧水」の柔らかな口当たり 栃木・塩谷 行ってみたい 水のある風景

産経ニュース / 2024年8月20日 10時0分

栃木県北部の塩谷町にある「尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)」は日本有数の湧水群で、同県が誇る名水だ。地中から水が湧き出る源泉まで、沢の流れに沿って遊歩道が整備されており、森林浴をしながら散策を楽しむこともできる。

尚仁沢湧水は、塩谷町のシンボルである高原山の中腹(標高約590メートル)に位置し、辺りには樹齢数百年にも及ぶ原生林が広がっている。十数カ所からこんこんと水が湧き出て、清らかな流れをつくっている。

山岳仏教が盛んだった奈良時代には、信者たちが高原山に登拝するときに、尚仁沢(精進沢とも伝えられる)の湧水で身を清めるために必ず立ち寄ったとも伝えられる。

湧出量は日量約6万5千トン。年間を通じて水温は約11度と安定しており、冬でも渇水や凍結はない。この湧水を求めて、近隣のみならず首都圏からも多くの人が訪れている。

昭和60年に環境庁(現環境省)が全国名水百選に認定。平成9年に岐阜県で開かれた「ミズみずフェスタ全国利き水大会」では、37都道府県から集められた天然水の中で1位に輝いた。

源泉までは、沢の流れに沿って遊歩道(約1・5キロ)が整備されている。尚仁沢入り口の看板がある場所から歩いて約30分。途中に急勾配の階段などがあったが、森林浴を満喫しながら源泉にたどり着くことができた。

源泉から湧き出ている水に手を浸してみると、ひんやりとしていて気持ち良い。水質は天然アルカリイオン水で、柔らかい口当たりが特徴だという。

宇都宮市から妻とともに源泉の水をくみに来た男性会社員(39)は「ここの水は透明感があり、冷たくて味が全然違う」と強調する。「この水でコーヒーをいれて飲むのが楽しみで、何度も来ている。遊歩道の散策も気持ちいい」

近くにある「尚仁沢名水パーク」には、源泉と直接パイプでつないでいる水くみ場があり、山歩きが苦手な人でも手軽に湧水を味わえる。埼玉県春日部市から車で来た男性(72)は「本当においしい水。お茶やみそ汁のほか、野菜をゆでたりするのにも使っている」と話し、いくつものポリ容器に水をくんでいた。

ただ注意点もある。殺菌消毒などの処理を行っていない生水のため、塩谷町は「飲料水として使用する場合は煮沸・殺菌消毒などの処理をして自己責任のもとで使ってほしい」と呼び掛けている。(伊沢利幸)

尚仁沢湧水 JR宇都宮線矢板駅からタクシーで約30分。車の場合は、東北自動車道矢板インターチェンジ(IC)から約40分。源泉に向かう遊歩道の入り口前には無料駐車場(20台)がある。また、「尚仁沢名水パーク」にはレストハウスがあり、湧水ラーメンや湧水カレーが人気。無料駐車場(30台)もある。【問】塩谷町産業振興課(0287・45・2211)。

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