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鎌倉・江の島観光は「左回り」で 人気漫画スラムダンク登場のスポット混雑解消も

産経ニュース / 2024年12月27日 13時44分

鎌倉・江の島(神奈川)への観光客の急増によるオーバーツーリズム(観光公害)の解消に、旅行ルートを変えてもらう実証実験を、国土交通省関東運輸局が来年2月まで行っている。観光名所が多い鎌倉、藤沢両地域への年間の観光客は3100万人以上。鎌倉から江の島方面に向かう「右回り」の傾向があるといい、実証実験では、経路検索サイトに依頼し、左回りルートが表示されるよう設定。人の流れを分散させることで、例えば、鎌倉高校前踏切の混雑緩和につなげるなどして、オーバーツーリズムの解消を目指す。

右回りの法則

12月20日午後、鎌倉市腰越の江ノ島電鉄の鎌倉高校前駅踏切。バスケットボールを取り上げた人気漫画「スラムダンク」のアニメ版に登場する同踏切は、観光客の人気スポットとして知られる。この日も、インバウンドを中心に多くの観光客が訪れ、駅周辺は混雑。鎌倉市、江ノ島電鉄などが配置した警備員が、カメラや携帯電話を構える人が車道も関係なく撮影するのを整理していた。

鎌倉、藤沢両市は観光名所が多く、鎌倉では鶴岡八幡宮や鎌倉大仏、長谷寺など、藤沢は江の島、湘南海岸などに行く観光客が多い。昨年の観光客数は鎌倉市が約1228万人、藤沢市が約1960万人。時間によっては、特定の場所に過度な観光客が集中することがある。

両地域では、同踏切だけでなく、乗車待ちの乗客の列で混雑する駅があったりするほか、ごみの不法投棄などの迷惑行為も相次いだりしているという。

関東運輸局によると、両地域への観光は、江ノ電を利用して、鎌倉駅から江の島方面に向かう「右回り」の傾向にあり、午前中の時間帯に鎌倉、午後の時間帯に江の島に観光客が集中することが多いとされる。

経路検索で「左回り」表示

このため同運輸局は、来訪者の行動の意識を変え、右回りとは全く逆のルートを推奨し、人の流れを分散化する試みを始めた。来訪者の行動変容がオーバーツーリズム対策にもつながると考えたためだ。

具体的には、東京方面、名古屋方面にかかわらず、降車駅をJR藤沢駅、大船駅どちらかにして、まず江の島方面に向かう。その後、鎌倉方面に行く「左回り」のルートで観光する。大船駅から江の島まで向かうコースで湘南モノレールを利用すれば、空中散歩のような感覚を味わえるほか、晴天であれば富士山を望むこともできる。

11月に特設サイト「えのかま巡り~左回りで快適に~」を立ち上げ、こうした左回りで人気スポットを巡るモデルコースを設け、訪れる時間の目安なども記した。

さらに12月からは、経路検索サイト「ジョルダン」に協力を求め、利用者が到着駅を江ノ電の各駅にした場合、左回りルートが表示されやすいような設定にした。また2月2日までの間、藤沢、大船両駅から鎌倉までを巡るデジタルスタンプラリーも始めている。

ストレスを感じない観光

鎌倉から江の島観光をした人が再び鎌倉に戻るケースも少なくないとみられ、同運輸局は、これらも含め、サイトの閲覧者数やサイトを通じて行うアンケート結果、人流調査などのデータをもとに効果を検証。同運輸局観光部は「左回りルートの推奨は、地域住民の方も、旅行者の方もストレスを感じない観光の在り方を提示するための試み。それがオーバーツーリズム対策につながることを想定している」と話している。

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