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「味は狭山でとどめさす」狭山茶関連手厚く 千利休茶室復元展示も 入間市博物館 埼玉「館」巡り

産経ニュース / 2024年6月21日 14時49分

入間市博物館の外観=埼玉県入間市(柳原一哉撮影)

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」

狭山茶作り歌の一節でこう歌われる狭山茶。日本三大銘茶の一つに数えられる県の特産品だが、埼玉県内一の主産地といえば入間市になる。

その同市博物館を訪ねた。学芸員の梅津あづささんによると、「総合博物館でありながら、狭山茶関連がおおむね半分くらいの規模を占める」といい、関連の展示は実に手厚い。

市は全市挙げて狭山茶と茶文化の発信を進める。令和4年には狭山茶振興を目的に「おいしい狭山茶大好き条例」を施行している。

館内を案内していただいた。同市の自然、歴史を俯瞰する展示が続く。自然コーナーは化石やジオラマ、歴史コーナーは古代から近現代まで豊富な資料でカバーする。

そして常設展示「茶の世界」では、お茶が世界に広まる「伝播(でんぱ)」という視点で日本や世界のお茶について紹介。もちろん、狭山茶の成り立ちを懇切丁寧に解説する。

目を引くのは、安土桃山時代の天正12(1584)年、千利休が大阪城内に建てた茶室を実物大で復元した展示だ。内部は存外、広さが感じられる造りで、茶道の粋が詰まっているように感じた。「運が良ければ内部に入れる体験イベントに参加できる」(梅津さん)という。

また、国登録有形民俗文化財の「狭山茶の生産用具」も並べられ、蒸籠(せいろ)など貴重なコレクションは一見の価値がありそうだ。

取材後、一杯の狭山茶をいただいた。「甘味とコクがあって美味しいでしょう」。その言葉通り、優しい味わいが口中に広がる。改めて狭山茶のファンになれそうな気がした。(柳原一哉)

入間市博物館 愛称のALIT(アリット)は、Art・Archives(美術・文書館)▽Library(図書など)▽Information(地域情報)▽Tea(茶)-の頭文字を組み合わせた。年間入館者数は約8万人。ミュージアムショップで狭山茶の販売もある。

アクセスガイド 入間市二本木100。圏央道入間ICから5分。西武池袋線入間市駅からバスで20分。開館午前9時~午後5時。休館日は月曜、祝日の翌日、年末年始など。常設展示観覧料は大人200円、高・大学生100円、小・中学生50円。

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