争点は「駅前開発」 滋賀・野洲市長選6日告示 現新、三つどもえか
産経ニュース / 2024年10月4日 20時1分
任期満了に伴う滋賀県野洲市長選が6日に告示される。これまでに新人の元県職員、桜本直樹氏(48)、現職で再選を目指す栢木進氏(68)、新人で市議の益川教智氏(42)の無所属3人が立候補を表明している。市はJR野洲駅南口前の遊休地の開発計画を進めており、民間売却による開発を主張する栢木氏に対し、桜本氏と益川氏は市民活動の拠点としての活用を訴える。街の「顔」となる駅前をどうするかが最大の争点になるとみられる。
遊休地のまま
新快速の始発駅でもある野洲駅だが、南口を出ると大きな空き地が広がる。
かつてここにはアサヒビールの関連会社の工場があり、平成元年に工場が市内の別の場所に移転して以降は開発が進んでいない。
市は24年に約9300平方メートルの跡地を「市民活動拠点施設用地」として約12億5千万円で買い取り、駅南口周辺整備構想の検討を開始。27年に策定された整備構想には、駅から徒歩数分の場所にある老朽化した野洲市民病院を跡地に移転する内容が盛り込まれた。
ところが、令和2年の前回市長選で、市民病院の現地建て替えを主張した栢木氏が現職を破って初当選。栢木氏は現地建て替えは断念したがその後、郊外に移転新築する計画が決定し、遊休地のままだった駅南口の開発計画は市民病院を抜いた形で再始動した。
市は開発計画の策定にあたり、公募型プロポーザルを実施。最終的にサンヨーホームズ(大阪市)を代表とする企業グループのみが応募し、駅前ロータリーに隣接したAブロック(約5400平方メートル)にはホテルや高層マンション、駅からみてその奥に位置するBブロック(約3600平方メートル)に食品スーパーや温浴施設などを配する計画を今春に提案した。
計画に批判も
市は事業用地を順次売却する方針で、8月には提案に関する意見を聞く市民懇談会を開催した。参加者からは「提案内容ではにぎわいを感じられない」「高層のホテルやマンションは必要あるのか」「市有地売却のコンセンサス(合意)は得られていないのではないか」などと批判的な意見が噴出。市は今年度中に事業者と協定を締結し、来年度の着工を目指しているが、先行きは不透明な状況だ。
そんな中、桜本、益川両氏はともに開発計画の見直しを主張。桜本氏は「市民活動拠点施設用地として買収した土地であり、計画は目的が違う」と売却に反対の立場を鮮明にし、「市民みんなが楽しめる芝生広場とモール、野外ステージを整備する」と訴える。
益川氏も「市民生活の利便性向上の観点が不可欠。土地を民間に売却し、ビジネスホテルやマンションを建設することが市民にとってどんなメリットがあるのか」と疑問を呈している。
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