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伝統的製法を見学 230年のプライドを体感 金笛しょうゆパーク 埼玉館巡り

産経ニュース / 2024年12月14日 11時0分

金笛しょうゆパーク=埼玉県川島町(半田泰撮影)

日本が世界に誇るスーパー調味料しょうゆ。江戸時代から広く普及するようになったといわれ、日本の食卓になくてはならない存在になっている。

金笛(きんぶえ)しょうゆパークはしょうゆの伝統的な製法を見ることができる施設。というのも、施設を運営しているのは江戸時代後期で約230年前の寛政元(1789)年創業のしょうゆ蔵「笛木醤油(しょうゆ)」だからだ。

12代目社長の笛木吉五郎さん(44)によると、しょうゆづくりに使っているのは大豆、小麦、塩のみ。加工した大豆と小麦に麹菌を混ぜた麹に塩水を加えた諸味(もろみ)を木桶の中で熟成させてつくっている。

3年かかるものも

しょうゆは熟成した諸味を布で3日間かけて圧搾し完成する。完成まで長いものは3年かかるという。

このしょうゆづくりを見られるパークは令和元年にオープン。笛木さんは「業界に危機感を持っていた父が一般向けの工場見学を始めようと考えて設備を整えていたが、亡くなってしまいしばらくはそのままになっていた。私が社長になって父の思いを継いだ」と経緯を話す。

当初は新型コロナウイルス禍に巻き込まれたが、その後来館者は増加。5年は年間3万人、6年はすでに4万人に上っている。外国人も多いという。

基本は職人がガイドする。脚本はなく、それぞれ自分が担当している工程の説明は思い入れが入る傾向にあるそうだ。

11月末、パークには米国人の男性歯科医師(62)家族5人が来場していた。男性は「一般的な観光地ではないところに行きたくて、インターネットで調べてきた。数百年も同じ製法が守り続けているのが素晴らしい」と話していた。男性は米国でもしょうゆを買っているというが、「味が違う」と感激してた。(半田泰)

金笛しょうゆパーク しょうゆつくりの全てを見学できる施設。諸味を熟成させる仕込み蔵には38本の木桶が並び、熟成期間によって変化する諸味の色が見られる。しょうゆなどの直売所やレストランあり。工場見学は平日は一日2、3回、土日祝日は10回。無料。定休日なしだが、年末年始などの休業あり。

■アクセスガイド 埼玉県川島町上伊草654。東武東上線・JR川越駅、西武新宿線本川越駅から東武バス「東松山・八幡団地」「鴻巣免許センター」行きで「伊草小学校前」下車徒歩5分。高速道路利用の場合、圏央道川島または坂戸インターチェンジから5分。駐車場無料。

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