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ルーツはバドミントンと水泳 陸上女子やり投げの北口榛花 飽くなき向上心

産経ニュース / 2024年8月10日 19時10分

陸上女子やり投げ予選に参加する北口榛花=7日、フランス競技場(代表撮影)

「こんなにたくさんのお客さんが入っていて、すごく幸せ」。陸上のフィールド競技で日本女子初の五輪メダル獲得に期待がかかる、やり投げの北口榛花(26)。身長179センチと世界規格のヒロインは、わずか1投で予選通過を決めると、笑顔を見せた。

北海道旭川市出身。驚異的な投擲(とうてき)のルーツは、生まれ育った北の大地で始めた2つの競技にある。

一つは小学生のころに始めたバドミントン。肩が強く、どんどんスマッシュを打ち込む積極的なスタイルだった。小6で全国大会に出場。パリ五輪の女子シングルスで5位となった山口茜(27)とも対戦した。

「試合に負けると体育館の床に座り込んで、人目をはばからずにわんわんと悔し泣きしていた」。指導者だった川合修さん(80)は、こう回想する。

もう一つは、並行して地元のスクールで続けていた水泳。中学時代には全国大会にも出場した。

そんな北口にやり投げをすすめたのが、進学先の旭川東高で当時の陸上部顧問を務めていた松橋昌巳さん(69)だった。恵まれた体格に肩回りの柔軟さ。加えて天真爛漫(らんまん)な性格。「心技体すべて、世界に通用すると思わせる素材だった」。予感は的中し、高3のとき、世界ユース選手権で金メダルを獲得した。

「体育会系より自由奔放な気風が合う」と、当時の陸上部監督だった小山裕三さんに誘われ、日本大に進学。入学後も、水泳とバドミントンを続けさせたという。

コーチが求めるトレーニングでも、向いていないと思えば「私に合わない」とはっきり主張する。試合に勝っても「まだまだです。もっと上がいます」と言い続けた。小山さんは「とにかく世界への意識が強かった。日本の枠に収まる人間ではなかった」と語る。

筋力と跳躍力が弱点だったが、2019年にやり投げの本場であるフィンランドの講習会で出会ったチェコ人のセケラク・コーチに師事し克服。現在も水泳を続け、五輪メダリストの松田丈志さんを訪ね、フォームについて教えを請うた。

飽くなき向上心と、自由な精神。決勝のフィールドで描く放物線は、そんな軌跡の集大成となる。(市岡豊大)

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