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折れたバットを合格祈願のお守りに 高校生と大阪・門真の会社が製作 受験生に配布

産経ニュース / 2024年11月19日 21時48分

合格祈願のお守り

立命館宇治高校(京都府宇治市)の元野球部員らが折れた木製バットから合格祈願のお守りを作り、10月に開催されたオープンキャンパスで来場者に配布した。捨てられるバットを日用品に再加工する大阪府門真市の家具製造会社「岩本商会」の協力を得て、生徒らの「何か作りたい」という思いが実現。やすりがけや穴開けを手がけた生徒らは「受験生らに喜んでもらえたら」と話している。

お守りは、同校のコア探究プロジェクトの授業で、元野球部員の3年、林謙之介さん(18)と永渕奏詩(そうた)さん(17)ら3人のグループが作った。野球部の練習では木製バットを使うが、月に数本は折れる。林さんらは、室内練習場に折れたバットが大量に放置されているのが気になっていたという。

バットを有効に活用する方法を考えていたときに、交流サイト(SNS)で岩本商会の取り組みを知り、今年5月に協力を依頼。折れたバットからペン立てや靴べらなどを作るプロジェクト「B―ride(ビーライド)」を手がける同社の営業部長、田中伸佳(のぶよし)さんが快諾した。

学校側の「SDGs(持続可能な開発目標)を意識したPR活動につなげてほしい」との意向もあり、オープンキャンパスまでに700個のお守りを作る目標を掲げた。ところが、野球部から入手できたのは15本にとどまり、「とてもじゃないが足りない」(林さん)とバットの確保に奔走。野球部OBらのつながりで、社会人野球チームの大阪ガスから50本を提供してもらい、ようやく製作に着手した。

折れたバットをお守りにするのは縁起が悪いとの指摘もあったが、田中さんは「もともとは捨てられる運命にあったバットを材料として生かした」と理解を求める。

バットのどの部分から切り出したかによって、お守りの大きさはさまざまだが、すべてに「合格祈願」の焼き印を押した。生徒らが丁寧にやすりがけをし、穴を開けてチェーンを通すなどし計800個を仕上げた。

10月26日に同校で開催されたオープンキャンパスでは、見学に訪れた受験生や家族らに約350個を配布。生徒らの手作りと知った人からは「すごい」などと驚きの声が上がったという。

林さんは一連の取り組みを「企業と交渉するなどいろいろな体験ができた」と振り返る。永渕さんも「バットを加工するのは大変だったが、社会貢献できたという実感がわいた」と話す。余ったお守りは後輩たちに配布し、卒業までに取り組みの成果をリポートにまとめる予定だ。(格清政典)

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