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警官が女子大生殺害 社会に衝撃 警視庁150年 66/150

産経ニュース / 2024年8月20日 7時0分

事件の余波を報じる昭和53年1月19日付のサンケイ新聞夕刊

「殺人警官」という言葉が連日新聞紙面に書かれたのは、昭和53年1月。警視庁北沢署の巡査の男=当時(20)=が職務中、管内に住む女子大生=当時(22)=を暴行し絞殺する事件が発生したからだ。治安を守る警察官による凶行に社会に衝撃が走った。

『警視庁史 昭和後編』によると、巡査は北沢署経堂駅前派出所に勤務。偶然見かけて好意を抱いた女子大生の家に巡回連絡で行けると知り、自身の担当外であるにもかかわらず訪れた。

巡査は暴行後に女子大生を殺害。第一発見者を装い「警ら中にアパートのガラスが壊されていて、中に入ったら乱暴された跡のある女の人が死んでいた」と大家に110番通報を依頼する非道ぶりだった。

警視庁は北沢署に捜査本部を設置したが、巡査の供述に矛盾が出始めたため追及したところ、犯行を自供。捜査本部は事件当日に殺人容疑などで巡査を逮捕した。

53年1月12日付のサンケイ新聞(現産経新聞)は「制服を着ていれば簡単に部屋の中に入れてくれると思った。殺意がわいたのは抵抗されたから」と供述したと報じている。

巡査は殺害後に女子大生の財布から現金を奪ったほか、職務中に空き巣も行っていた別の事件も判明し、警察の信頼は失墜した。署などへの抗議の電話も鳴りやまなかったという。事件を受け、当時の土田国保警視総監は減給処分を受けた。

事件後、土田は再発防止策の立案に尽力したが、捜査を指揮した刑事部長が急死。この「警視庁葬」を執り行った後、同年2月に辞任した。(前島沙紀)

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