介護休業制度はどのように使うの？ 介護の体制を整え、家族の方向性を決めて 100歳時代の歩き方 イマサラＱ＆Ａ

介護休業制度の取得を会社に言い出せない人も

Ｑ　どのくらいの頻度で実家に戻るのがいいのでしょうか

Ａ　前回、前々回でも話した通り、子供や家族は情報を得て、意見をまとめておくのが仕事です。介護自体はプロに任せてください。親とのコミュニケーションも電話やラインなどがあります。ただ、たまには対面で様子を見ることも大事です。無理のない範囲で、好きなときに行ってください

Ｑ　実家に戻る交通費も結構かかります

Ａ　交通費は遠距離介護のデメリットの一つですね。ただ、申し上げたように対面だけが介護ではありませんから、交通費も可能な範囲でよいと思います。航空会社によっては介護帰省割引があります。鉄道は介護特定ではありませんが、会員登録や早期予約などで割引されるシステムがあることが多いです

Ｑ　会社に介護のときに休める制度がありますが、使っていいのでしょうか

Ａ　介護休業、介護休暇制度ですね。介護休業は要介護状態の家族１人につき３回まで、通算９３日まで、介護休暇は家族１人につき年５日まで取得できます。介護休業は地域包括支援センターとの相談など、介護体制を作るのに使います。介護休暇は病院の付き添いなどに使われているケースが多いです

Ｑ　介護休業は体制作りのためなのですね。介護するには９３日は少ないと思っていました

Ａ　繰り返しになりますが、家族の介護とは体制を整え、家族の考えの方向性を決めることです。休業はそのために使うものです

Ｑ　なかなか会社に言い出せない人もいるのではないですか

Ａ　育児休業はかなり浸透してきましたが、介護休業はどちらかというとネガティブだからか、あまり聞きません。ただ、介護に悩みを抱える従業員が、いったん仕事を休んで悩みの解消に努めるのは、会社にとって大事な労務管理です。多くの会社では、従業員から相談があれば積極的に対応していると思います

（回答者　社会保険労務士　山本武尊（たける））