和歌山県、アドベンチャーワールドへの雄パンダ借り入れ要請「継続」

四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地を視察する和歌山県の岸本周平知事（中央）ら（同県提供）

和歌山県の岸本周平知事は３０日の定例記者会見で、今月２１～２６日の中国訪問について報告した。四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地では同基地の尹志東（いんしとう）主任らと会談し、レジャー施設「アドベンチャーワールド」（白浜町）への雄のパンダの借り入れを申し入れた。明確な回答はなく、今後も国など通じて働きかけを続けるという。

同施設では令和５年２月にジャイアントパンダ７頭のうち「永明（えいめい）」など３頭が同基地へ送り出された。永明は平成６年に来日して計１６頭の父親となり、日中共同繁殖研究で大きな成果を生んだ。現在いるパンダは雌４頭で雄はおらず、今後の繁殖を視野に借り入れを要請した。

岸本知事は尹主任や中国でパンダを管轄する国家林業草原局国際合作司の吴青（ごせい）副処長、中国動物園協会の鄭広大（ていこうだい）会長と会談。「永明パパの跡継ぎをという県民の熱い希望を伝えさせていただいた」と話し、尹主任からは「県民の思いは受け止めた」との回答を得たという。

ただ、岸本知事は「中国の外交案件になるので、さらに上の段階での交渉が必要との印象を持った」と説明。「今回はスタート。日本政府にも働きかけ、跡継ぎを呼ぶように力を入れたい」と述べた。

このほか、今回の訪中では、山東省との友好提携４０周年記念式典に出席。２００８年に死者７万人の地震被害があった四川省と防災減災で協力していくことを確認するなどしたという。