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企業悩ます、10月の「内定辞退」問題 式参加の後に決断も 就活リサーチ

産経ニュース / 2024年10月9日 12時10分

今月1日、各企業で来年春卒業予定の大学生らの内定式が行われました。オンライン実施が目立ったコロナ禍から一変、一堂に集める式典が復活しています。内定式と前後して、企業の悩みの種となるのが、「内定辞退」の問題です。内定承諾後に辞退する学生の割合は増えてきているようです。

早期化が進む昨今は多くの企業が6月頃には内々定を出し、夏頃には大半の学生が内定を承諾する意向を示しています。ところが10月が近づき内定式の案内を送ると辞退者が出てしまうことがあります。

内定承諾した後に、他によりよい企業があると知る学生もいるようです。また、いったん複数企業に、承諾の意向を伝え、式の案内が来てからようやく決断する学生も少なからずいます。なかには内定式に参加した上で決断するという人もいるそうです。

承諾後も4人に1人

昨年10月に当時の大学4年生と院生(令和6年卒)に聞いた調査では「内定承諾前に辞退したことがある」という回答が半数以上を占めました。

さらに4分の1相当が「内定承諾後に辞退したことがある」と回答。前年、前々年よりも、割合が増えていました。

ただ、決断に悩んだこともうかがえます。内定承諾後の辞退について「とても抵抗があった」「少しあった」との答えは85%以上に。一方で「内定承諾後の懇親会などを通じて悪い面も見えてくるため、承諾後の辞退でも抵抗はない」と答えた学生もいました。

懇親会や内定式などを通じて士気を高めている学生もいるでしょう。先日の内定式後、学生から「社長や人事部長の話を聞いて社会人になる実感が湧いた」などの声が聞かれました。

内定式を機に入社への意欲を高めてもらおうと企業の採用担当者も工夫を凝らしています。仕事内容や配属についての詳しい説明をしたり、内定者同士や社員との交流を深めるための懇親会や食事会を設けたり。どうやったら満足度を高められるかと毎年、頭を悩ませているという企業も少なくありません。

活動中ならチャンス

企業側からすると、内定を承諾した学生は当然入社してくれると思っていますから、辞退の連絡は青天の霹靂(へきれき)です。配属が決まっている場合や採用数の少ない企業の場合は欠員が出た分を補うため、急遽(きゅうきょ)、採用活動を再開することもあります。

職業選択の自由は保障されており、内定に法的拘束力はないものの、複数内定を長期間保持することは、他の学生のチャンスを奪うことにもつながりかねません。できる限り速やかに連絡することも、社会に出るための準備の一つといえるでしょう。

ただ、辞退者が出て採用活動が再開するこのタイミングは、就職活動を継続中の学生にとってはチャンスともいえます。気になる企業が募集を再開しているケースもあるかもしれません。新たな企業を知るきっかけがあるでしょう。就活中の人はもう一度、気になる企業について調べてみてはどうでしょうか。(キャリタスリサーチ 松本あゆみ)

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