中学生のアイデアから誕生した「カスタムバッグ」、全国の390円ショップで展開中

サンキューマートの新商品「カスタムバッグ」のアイデアを提供した竹下結菜さん（右）と佐々木寧音さん＝大阪府吹田市立片山中学校

大阪府吹田市立片山中学校の生徒らのアイデアをもとにした「カスタムバッグ」が、390円（税別）均一で全国約100店舗を展開している雑貨店「サンキューマート」で販売されている。企業などから出された課題解決を目指して、同校の生徒らがアイデアを提案する「Hello　Job　Project」の初めての商品化となった。

同プロジェクトはキャリア教育の一環として行われており、昨年9月、サンキューマートを展開する「エルソニック」（吹田市）が、2年生だった約240人に対して「自分たちが欲しいと思える商品を考えよう」という課題を出した。

これに対して竹下結菜さん（14）を班長とするグループは「ショルダーバッグをいくつか組み合わせたら、自分だけのオリジナリティーあふれるバッグになる」と提案した。

エルソニック営業戦略課の津呂啓太課長は「中高生がコアな客層なので、このアイデアは需要にマッチしていると思った」と評価する。その後、同社は本格的な商品化に乗り出し、7月中旬にはストラップ付きスマートフォンケースを軸に、色とりどりのポーチや小銭入れなどを取りそろえた。

完成した商品を目の前にした竹下さんは「サンキューマートがうまく肉付けしてくれて、素材も良くて想像以上の商品になった」と話し、同じグループでアイデアを出しあったという佐々木寧音（ねね）さん（14）も「友達の母親が店で見つけて購入したと聞いてうれしかった」と笑顔を見せた。

同社によると、カスタムバッグの売れ行きは順調で、「次回も若者たちのアイデアに期待したい」と津呂さんは話す。一方、竹下さんらは「今回の経験を通じてものづくりに興味を持ちました」と話していた。