奈良のシカ、捕獲後は原則一時収容へ 保護施設「鹿苑」のあり方検討部会

奈良公園周辺に生息する奈良のシカ

奈良市の奈良公園周辺に生息する国の天然記念物、奈良のシカを保護する施設「鹿苑」のあり方について、有識者らが検討する県の部会が５日、同市内で開かれた。農業被害を出して捕獲されたシカは、これまで施設内の「特別柵」で終生飼育されてきたが、今後は一時収容を原則とする方向で一致した。

柵内での終生飼育は過密や衛生状態の悪化といった飼育状況の原因と指摘されており、部会では今後、シカが群れで行動する動物であることを踏まえ、柵内の適正な収容頭数や病気やけがの際の治療方針について話し合う。

また、奈良公園近くの路上で男性がシカを蹴ったり叩いたりする動画が交流サイト（ＳＮＳ）で拡散されていることに触れ、県に啓発を強めるよう求めた。