就活が終わったのに6割が感じる「内定ブルー」 後悔しないための注意点 プロが指南 就活の極意

就活を終えた後で「内定ブルー」を経験する学生は多い（岩崎叶汰撮影）

就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートは令和7年3月卒業予定の大学生の就職内定率が、8月1日時点で91．2％だったと発表しました。この数字は、現行の採用日程になった平成29年3月卒以降では、令和2年3月卒と並び最高水準となりました。その内、大学生の進路決定率は80．6％と多くの学生が進路を決定したことが分かります。

しかし、昨年、大学生向け就活情報サイト「就活の教科書」運営会社が実施した大学生へのアンケート調査結果では、内定ブルーを経験したことがある学生の割合が約65％に達していることが分かりました。既に進路を決めた学生の中で、内定した企業への入社や社会人生活に漠然とした不安を抱いている学生は一定数いるかもしれません。1人で抱え込まずに信頼できる人に相談したり、内定先の社員や同期と交流したりして不安の解消や自分の考えの整理に役立ててほしいと思います。

さて、現在就職活動をしている学生の方やこれから就職活動を始める学生の方には、就職活動を終えた後に内定ブルーに陥らないように、下記で紹介する就職活動の進め方にならないように注意しましょう。

（1）憧れだけで業界・企業を見ていた

「見たこと・聞いたことのある会社だから」「尊敬している先輩がいるから」「何となくカッコイイから」など、憧れだけで業界・企業選びをする学生がいます。業界・会社を見ていくきっかけとしては良いのですが、就職活動を進めていくと〝本当は自分には合わない会社かもしれない〟と思う瞬間がでてくることがあります。それから、自分に合った会社はどこかを真剣に考えられるなら良いのですが、見栄やプライドなどが邪魔をして深く考えずに就職活動を進めてしまうと、結果として就職活動終了後に内定ブルーが顕在化してくることがあります。

（2）将来のことを漠然と考え過ぎていた

就職活動の面接の中で「5年後、10年後はどうなっていたいか？」「入社後のキャリアビジョンは？」などと質問されることがあります。就活生は働いたことがないため、将来のイメージがしにくかったり、内定欲しさに面接官の受けが良い回答を考えたりして、自分が思っていることとは異なる内容を話すことがあります。結果として、内定をもらったあとに「面接で話したことを将来行うのは不安」「実はやりたいと思っていた仕事ではない」など、ネガティブな感情に襲われてしまうことがあります。

（3）短期集中で就職活動を行ってしまった

「夏休み明けに就職活動を始めよう」「サークルやアルバイトが忙しいから落ち着いてから動こう」と考え、動き出しが遅くなると企業の知名度や待遇など仕事内容よりも重視する「就社活動」になってしまうことが多く、働くことをイメージできずに就職活動を終了してしまうことがあります。本来であればインターンシップに参加したりOB・OG訪問をしたりして、働くイメージをつかめるとよいのですが、今後の人生を左右する活動を軽視したことで、内定ブルーが発生してしまうことがあります。

就職活動後のイメージを持ったとしても、企業から内定を得ることができなければ、理想とは異なることは往々にしてあります。その為、まずは企業から内定をとることを優先する気持ちも理解できます。しかし、内定を獲得して未来をイメージした時に、将来に不安を感じて。内定獲得前に気付くことができなかったのかと後悔に繋がる恐れがあります。その為、目の前の結果を求めて注力したくなる気持ちも理解できますが、長期的な視点を持って就職活動に取り組んでほしいと考えます。就職活動は今後の人生を左右するものですので、適当な就職活動を行って就職留年や早期退職などが発生しないよう努めるようにしましょう。（「内定塾」講師　齋藤弘透）

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