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高齢者孤立防止の一助に 世代超えたつながり生み出す多世代型交流アパート 神奈川・藤沢

産経ニュース / 2025年1月27日 20時39分

注目が高まる多世代型交流アパート「ノビシロハウス亀井野」。奥に住居があり、手前にはカフェなどが併設されている =藤沢市

1人暮らしの高齢者らの孤立対策として、多世代型交流アパートが注目を集めている。神奈川県藤沢市の「ノビシロハウス亀井野」では、住人の高齢者と若者が日常的にコミュニケーションをとるなど、独特のシステムで世代を超えた交流が生まれている。高齢者らの孤独や孤立を防ごうと取り組みを進めている国でも、現地を視察するなど関心を寄せている。

お茶会参加で若者の家賃半額

藤沢市の閑静な住宅街にたたずむ2階建てのアパート。多世代型交流アパート「ノビシロハウス亀井野」だ。全部で8室を備えるほか、地域住民も利用できるカフェやコインランドリー、クリニックなどを併設する。バリアフリーに配慮した設計もされている。

高齢者も居住するこのアパートの特徴的は、2階の一部が若者用となっていること。若者は高齢者に日常的に声かけをしたり、月1回のお茶会に参加するなどすることで、家賃が半額になるという。高齢者は見守りをしてくれる安心感が生まれる一方、若者にとっては安く住めるなど、双方に利点がある。

世代を超えた交流の取り組みは、想定以上の効果も生んでいる。実際に居住する70歳代の女性は、過去に住人だった学生から「料理を教えてほしい」と頼まれ、一緒に料理をするようになったという。若者を誘ってカラオケにいくこともあり、充実した日々を過ごしている。女性は「年齢的には孫みたいだけど、年の離れたお友達という感じ。すごくいい関係です」と笑顔で話す。

国も有識者でチームで検討へ

これには、国も熱視線を送る。22日には、三原じゅん子孤独・孤立対策担当相が現地を視察し、併設されているカフェで実際に住人らと意見交換。「見守りを通じて生まれたつながりというものが、世代間の温かい人間的な交流のきっかけになる」と、取り組みへの関心を口にした。

また、今回の視察などを踏まえ、三原氏は高齢者らの孤独防止に向け、2月にも有識者らによる新たなプロジェクトチーム(PT)を設けて対策を検討する考えを表明した。

未婚の男女の増加に加え、今年は人口規模の大きい「団塊の世代」が全員75歳以上となり、今後単身高齢者が増えることが予想されている。三原氏は「孤独・孤立問題の深刻化というのが懸念されると思っている。中長期的な視野に立って政策を講じていくためのプロジェクトと考えてもらえれば」と話した。(小川寛太)

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