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フードテックって何?

産経ニュース / 2024年10月9日 20時46分

中高一貫校に通うはるとさん、ひなたさんの会話から、フードテックについて学びましょう。

はると この前「大豆ハンバーグ」を食べたよ。肉の代わりを目指した食材を「代替肉」というんだ。スーパーやハンバーガー店でも商品が並んでいるね。

代替肉だけでなく、本物の肉の細胞を培養して食材にする「培養肉」の研究も進んでいるんだって。

ひなた 先端技術で食料問題を解決しようという試みね。「フードテック」と呼ばれているよ。

フードとテクノロジーを組み合わせた造語で、農業や漁業のIT化など幅広い食料生産の現場での導入が想定されているわ。持続的な食料確保に役立てることが目標だよ。

はると フードテックが注目されてきたのは、世界人口の急増に肉や魚の供給が追い付かずタンパク質不足が起きるとの予測があるからだよ。2030年ごろから必要な量を供給できなくなるとの推計もあるんだって。

ひなた 肉牛などを増やすにはもっと多くの土地や飼料穀物が必要だわ。ただ、土地は限られ、飼育には大量の水も必要。また、牛のげっぷには温室効果ガスのメタンが含まれるなど増産での環境影響に懸念があるよ。

はると 現在は、技術的に比較的容易とされる大豆など植物由来のタンパク質を使った代替肉が主流だよ。刺し身やうなぎのかば焼きなど植物由来で魚介類に似せた食品も開発され、種類が広がっているね。

ひなた もう一つの代替肉である「培養肉」は、世界で研究開発が進んでいるわ。植物由来と違い、元は動物の細胞を使っている点が「本物の肉」ともいえそうね。一部の国では商品化されているわ。

はると フードテックには多額の投資が行われ、世界市場規模は2050年までの30年間で10倍以上の279兆円に急増する予測があるよ。日本の投資額は米国や中国の数%とのデータもあり、巻き返しを図っているよ。

ひなた 代替肉など新商品の開発はコストがかかり、まだ価格は高めだわ。投資を呼び込み、企業の開発を後押しできるといいわね。また、添加物の使用や表示、安全性のためのルールなど法整備も必要だわ。

食品ロス削減も重要

食料自給率が4割弱(カロリーベース)と先進国で最低水準にある日本にとっても食料の安定供給は重要です。フードテックには、食品生産現場での人手不足の解決も期待されます。

課題もあります。代替肉はコスト高で、特に培養肉はとても高価とされます。コスト減には技術開発や需要の高まりも必要ですが、代替肉には味や食感などを敬遠する声もあります。環境に優しいというだけで購入する人は決して多くなく、消費者にどう受け入れられるかがポイントです。

食料不足の解決には、技術開発以外でもできることがあります。国連によると、世界で生産された食料の3分の1に当たる約13億トンが1年間に廃棄されています。食品ロスを減らすよう心がけたいですね。

タンパク質危機 国連によると、世界人口は2050年には100億人近くに到達。世界の食料需要は10年比で1・7倍になる見込み(農林水産省)。世界の穀物生産の3割は飼料用で、農地の7割は放牧や飼料用穀物の生産に使われているとされ、今以上に飼料に回る穀物が増えると、途上国では飢餓が増える可能性も指摘されている。

培養肉 牛や豚、鶏などから取り出した細胞を動物の体内環境を模した培養液に入れ、成長させた肉。2013年にオランダの研究チームが披露した世界初の培養肉ハンバーガーは、1個当たり3300万円というコストが話題になった。その後、シンガポールは2020年、世界で初めて培養肉の販売を承認。日本では大阪大や企業でつくるグループが2025年大阪・関西万博で培養ステーキの披露を目指す。

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