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今年の花火大会の有料席、半数超が値上げ 最安値平均は5000円超え 最高額は16万円

産経ニュース / 2024年7月22日 17時40分

(帝国データバンク調べ)

全国の花火大会で有料席の導入とその値上げが顕著になっている。帝国データバンクが22日発表した調査結果によると、今年開催される全国の主要な花火大会106大会中、有料席を設けたのは79大会で、前年より2大会増えた。前年から有料席を設けた75大会のうち値上げしたのは42大会で、1区画(席)当たりの最安値平均は前年比8・3%高い5162円となった。花火の原材料や警備員の人件費などの高騰が要因で、今後も値上げ傾向が続くとみられる。

最高額の上昇率は緩やか

最安値平均だけでなく、高価格帯の特別な観覧席も値上げされている。最前席や区画当たりの面積を広く確保したテーブル席などの特別観覧席の最高値平均は、3・9%高い3万4064円となった。

ただ、最安値平均に比べると上昇率は緩やかだった。帝国データの担当者は「前年はマーケティングやニーズを無視し、ただ単に富裕層向けに大幅値上げした特別有料席が売れ残る大会も目立った」と指摘。「今年はその反省から、特別席の値上げを大きく抑え、最安値を上げることで全体の帳尻を合わせる大会が増えた」と分析する。

最も高額な有料席は、島根県松江市で8月3~4日に開催される「松江水郷祭湖上花火大会」の「VIPテーブル席(定員4人)」で、価格は16万円(1席当たり4万円、専用トイレ、飲食、飲み放題付)。前年は「小田原酒匂川花火大会」(神奈川県小田原市)のベッド席(定員2人)の30万円が最高額だった。

ウクライナ侵略で原料高

値上げの主要因は、大会運営費の多くを占める花火の打ち上げコストの上昇だ。今年(1~5月)の打ち上げ花火の輸入価格は1キロ当たり約2200円で、新型コロナウイルス禍前の2019年に比べ約1・8倍と大幅に上がっている。

2022年2月のロシアによるウクライナ侵略後、弾薬にも使われる火薬の需要が欧州で増加し、花火用の火薬の生産量が激減。主要生産国である中国からの輸入価格の上昇に直結し、現在も高止まりが続く。

また、7~8月は全国各地で花火大会や祭りなどのイベントが集中。近年の人手不足も重なり、会場設営や警備費用が高騰しやすくなっていることも追い打ちをかける。

帝国データの担当者は、「人手不足により、大会運営や設営を自治体や地元商工会などのボランティアスタッフに頼りにくい状況になっている」と強調。「地方企業の業績悪化などで大会協賛金も集まりにくく、有料席の値上げは当面続く」とみている。

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