「夕暮れ族」「くれない族」「3語族」…軽薄短小の時代を象徴 昭和58年「サンケイ抄」 プレイバック「昭和100年」
産経ニュース / 2025年1月19日 8時50分
「夕ぐれ族」の流行語まではやらせた愛人バンクが警視庁の手入れを受けてとうとう閉店。中年男と若い女を組み合わさせた世相風俗の最前線にも日没が訪れたらしい。
▼手っとり早い契約で性と金を手にできる〝軽薄短小時代〟の象徴のようなアイデア商売だったが、出るクイは打たれる。目立ち過ぎては元も子も失うのならいだろう。「○○族」という式の流行語の元祖は太宰治の小説からでた「斜陽族」(昭和22年)。
▼敗戦の世間に放り出された上流階級の没落は半ば同情されたが、それが「社用族」(26年)になるとかなり批判的になる。だが高度成長期は会社のツケをほしいままにした彼らも低速時代とともにゼイ肉化し、かなしい「窓ぎわ族」(50年)に変身する。
▼障子紙をつき破って登場した無軌道の「太陽族」(31年)たちはやがてヨットからオートバイへ乗りかわり「カミナリ族」(34年)「暴走族」(49年)になって社会問題化した。原宿街頭で踊り回った「竹の子族」(55年)とは別の系譜だったようだ。
▼「よろめき族」(32年)や「団地族」(33年)が生まれたころ、よろめきマダムや団地夫人は時間と体をもてあましていたが、今や教養あふれる「文化センター族」(54年)。講座をはしごして知的欲望をみたしている。
▼現代の若者たちの間に多数派を占める「3語族」の会話はウッソー、ホントー、カワユーイの三つだけ。「3D族」はダッテ、デモ、ドーセばかり。親が、学校が、社会がなにもしてくれないと文句をいう「くれない族」も多いそうだ。
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