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日英友好と学術交流に寄与 旭日大綬章のクリストファー・パッテン氏「誇らしい」 秋の叙勲

産経ニュース / 2024年11月3日 5時0分

3日付で発令された令和6年の秋の叙勲では在外および在日の外国人計87人が選ばれた。香港総督やオックスフォード大総長などを歴任し、今回最高位の旭日大綬章を受章した英国人、クリストファー・パッテン氏(80)は産経新聞の電話インタビューに応じ「光栄で誇らしいことです。私の人生で日本との関係は最も重要な関係の一つです」と喜びをかみしめた。

1979年に保守党の下院議員に初当選し、サッチャー政権で環境相、メージャー政権で同党幹事長などを歴任。92~97年に中国返還前の香港で「最後の総督」として香港の政治的民主化に力を尽くした。2009年9月からは「高松宮殿下記念世界文化賞」(公益財団法人日本美術協会主催)の国際顧問を務める。

「日本には若手議員だった時代から繰り返し訪れています。世界文化賞の顧問に就いたこともあり、米国を除けば最も数多く足を運んだ国になりました」

03年から今年7月までオックスフォード大総長の職にあった。同大に留学経験のある天皇、皇后両陛下が今年6月、英国訪問に合わせて思い出の学窓を訪れられた際は両陛下を接遇し、皇后さまには名誉博士号を授与した。「大学には日本人だけでなく大勢の英国市民が両陛下への熱い思いを示そうと集まっていました。日英の間に存在する、極めて強い絆を感じました」と振り返る。

日英には経済分野での緊密な関係に加え、中国やロシア、北朝鮮の脅威をめぐる地政学的な認識も共有していると指摘する。ロシアがウクライナを侵略し、中国が台湾を脅かす中、日英の戦略的関係は「これまで以上に強固になっていくのは確実だ」と強調した。

中国による民主化勢力の弾圧に対しては「中国は、返還から50年間は香港の高度な自治などを保証していたはずなのに、全ての約束を放棄して香港を権威主義国家の一部に組み入れてしまった」と非難。その上で「日英は多くの価値観を共有する民主国家として、未来に向けて引き続き力を合わせなければならない。私も貢献していきたい」と力を込めた。

11月に再び訪日する。京都の庭園で紅葉をめでるのを今から楽しみにしている。(ロンドン 黒瀬悦成)

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