祇園祭・長刀鉾稚児の「結納の儀」、鉾町が養子迎える

結納の品を受け取る稚児の父の西川正芳さん（左から２人目）ら＝１２日、京都市東山区

祇園祭前祭（さきまつり）の山鉾（やまほこ）巡行で先頭を進む長刀（なぎなた）鉾の鉾町が、今年の稚児（ちご）の西川雅基さん（１１）を「養子」として迎える「結納の儀」が１２日、稚児の父、正芳さん（４９）が経営する日本料理店「祇園にしかわ」（京都市東山区）で行われた。

八坂神社の祭神の軸をかけて祭壇を設けた和室で、長刀鉾保存会の役員と稚児の家族らが対面。保存会の井上俊郎代表理事（６７）が「大役をお受けいただき、誠におめでとうございます」と述べ、扇子などの結納品を手渡した。正芳さんは「お稚児という大役を授かり、（補佐役の）禿（かむろ）さんとともにご奉仕できるよう精進してまいります」と緊張した面持ちで返礼の言葉を述べた。

稚児や禿は学校があることなどから通常は結納の儀に参列しない。（田中幸美）