足袋工場丸ごと再現 ライブで実演見学も 行田市・足袋とくらしの博物館 埼玉「館」めぐり
産経ニュース / 2024年7月27日 11時0分
館内に一歩足を踏み入れると、床がギシギシときしんだ。古い木造建屋と機械油の入り交じった匂いが漂っている。もともと老舗の足袋商店「牧野本店」の木造工場(大正11年)で、その歴史は100年超にもなるという。
運営するNPO(特定非営利活動法人)「ぎょうだ足袋蔵ネットワーク」によると、工場は廃業後、駐車場になる計画だった。しかし、地場産業の足袋の歴史・文化などを後世に伝えたいというNPOの働きかけで保存されることになり、平成17年、博物館として再出発したという。
「足袋産業全盛時代の工場を丸ごと再現したライブ感あふれる博物館」。NPOの朽木宏理事(67)が特徴をこう説明する。
その言葉通り館内は工場そのもの。黒光りする「SINGER」ミシンが何台も並び、帳場の位置には机とそろばんが残されている。生地や商品の足袋などが棚に無造作に置かれていて、往時の息遣いが聞こえてくるようだ。
そして、2人のボランティア職人=いずれも(89)=がカタカタと軽快な音を響かせながら、ミシンを巧みに操作して足袋を縫い上げている。その実演を見ていると、今が本当に令和の時代なのか、という錯覚にとらわれた。
行田の足袋生産量は昭和時代に全国シェア8割を占め、名実ともに「足袋の町」だったという。館の2階では、その産業史を貴重な写真パネルなどでたどることができる。
街には今も足袋の倉庫「足袋蔵」が数多く残され、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」とのストーリーは日本遺産に認定されている。そんな街の雰囲気を体感しようと、和装姿で散策を楽しむ観光客らもいるそうだ。(柳原一哉)
◇
■足袋とくらしの博物館 老舗の足袋商店「牧野本店」の工場をリニューアルし、平成17年に博物館として開館。当時の面影をそのままに残し、地場産業だった足袋産業の歴史・文化などを今に伝える。足袋職人が実際に製造しているところも見学できる。
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■足袋とくらしの博物館 行田市行田1の2。午前10時~午後3時。定休日は月~金曜日。秩父鉄道行田市駅下車徒歩約5分。JR高崎線行田駅から市内循環バス20分「忍城バスターミナル」下車徒歩10分。料金200円(小学生100円)
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