「楽観視せず、支給開始年齢引き上げの議論を」昭和女子大・八代尚宏特命教授
産経ニュース / 2024年7月3日 17時24分
厚生労働省は3日、公的年金の長期見通しを示す財政検証結果を公表したが、検証方法に首をかしげたくなる部分が多い。将来の所得代替率が前回(5年前)より改善するとしているが、前提の4つのケースのうち2つは、今後、人口減少が続く日本で経済成長率が過去より高まるという非現実的なものだ。合計特殊出生率も、足元の1・20が来年から急上昇して1・36になるのは「神頼み」でしかない。本来必要な年金改革を避けるための楽観的な見通しではないか。
また、いずれのケースでも厚生年金の積立金が2070年ごろまで増える想定になる。好調な年金積立管理運用独立法人(GPIF)の運用利回りが根拠とみられるが、これまでゼロ成長が続いた日本経済で、足元の株高が今後50年も続くと予想していいのか疑問だ。
今回の年金改革の内容は技術的なものばかりだ。平均寿命は今後50年間で男女平均4・8歳も伸びる。この年金財政の負担増を、すべて毎年の給付額引き下げで対応するのは年金生活者の窮乏化策だ。かつて60歳だった厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられ、来年、目標の65歳に達する。その後について全く議論しないのは無責任過ぎる。せめて支給開始年齢を欧米並みの67歳にする検討をすべきだ。(聞き手 大島悠亮)
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