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旧日本陸軍「九七式中戦車改」、里帰り費用をCFで募集 米から輸送費などに1200万円

産経ニュース / 2024年12月25日 17時52分

日本への里帰りのため、戦車砲を改造する九七式中戦車改(防衛技術博物館を創る会提供)

NPO法人「防衛技術博物館を創る会」(静岡県御殿場市)は25日、米テキサス州の「太平洋戦争国立博物館」に保管されている旧日本陸軍の「九七式中戦車改」を国内で展示する費用を捻出するためのクラウドファンディング(CF)を始めた。すでに米側から無償で返還してもらう合意を得ており、CFは来年2月20日までを目途に、輸送費や国内の銃刀法に対応するための改造費として1200万円を集めることを目指している。国内に移送後は、走行できるように修理し、公開する予定という。

静岡・御殿場で展示予定

寄付は、CFサイト「READYFOR」で3000円単位から受け付けている。寄付額に応じて、横浜港での出迎えや修復状況の説明会への招待などが返礼として用意されている。

同会の小林雅彦代表によると、国内に輸送する際には、銃刀法の関係で、戦車砲を動かなくする必要があり、今回はモデルガンに改造するという。また、博物館のあるテキサス州のヒューストン港から日本に向かう船便は韓国や中国などを経由するため、入港時のトラブルなどのリスクから船会社は難色を示している。船をカリフォルニア州ロサンゼルス港から横浜港に向かう直行便へ変更するプランなどを検討しており、輸送費が増える可能性が高いという。

九七式中戦車は生産台数が多く、旧日本陸軍の代表的な戦車とされている。九七式中戦車改はその改良版にあたるが、国内ではほとんど現存していないという。

小林氏は「国内の篤志家が貴重な日本製の戦車を回収しても、相続などを経て海外に流出するケースが多い」と話す。一方、米国や英国などは、先の大戦で日本軍から奪い、博物館に展示している戦車の返還に前向きになっているという。今回の九七式中戦車改は、米海軍から無償で返還してもらい、展示していた博物館には代わりに同会が保有する別の戦車の実物大模型と交換する形で交渉がまとまった。

「自衛隊のメッカ」で博物館

同会は平成26年、旧日本陸軍が活用した日本初の四輪駆動車「くろがね四起」の復元でCFを実施。このほか、英国の愛好家が所有していた「九五式軽戦車」の里帰りや北海道でブルドーザーに改造されていた九五式軽戦車の修復などに取り組んでいる。

御殿場市は6月、令和15年に博物館を開館させる方針を示した。小林代表は「自衛隊のメッカでもある御殿場市で国産戦車を展示したい。市には開館の前倒しを働きかけて、直して走らせるまでを多くの人にみてもらいたい」と語った。(高木克聡)

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