2025年のKYOTOGRAPHIE テーマはヒューマニティ京都市内各地で作品展開
産経ニュース / 2024年12月31日 8時30分
京都市を舞台に開催される国際的な写真祭「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)」について、主催者による記者会見が同市内で行われ、2025年(4月12日~5月11日)のプログラムが発表された。テーマは「HUMANITY(ヒューマニティー)」。13組14人の作家が市内十数カ所にさまざまな作品を展開する。
一般社団法人「KYOTOGRAPHIE」の主催で13回目。テーマのヒューマニティーは、世界各地で戦争が相次ぎ、ロボットやAI(人工知能)によって日常生活が変わる中、「人とのつながりや協調性に着目して、人間の持つ愛の力や共感力を見直したい」との意味を込めたという。
フランス人アーティストのJR氏は今年10月、大原など京都市内7カ所に移動式スタジオを構え、道行く約500人に声をかけてポートレートを撮影。それらをコラージュして巨大な1枚の写真に仕立て、JR京都駅の駅ビルに展示する。「JR」は本名の頭文字をとったアーティスト名だが、無類の電車好きのためJR京都駅での展示に興奮しているという。
英国人写真家のマーティン・パー氏は、世界中の観光客を撮影した作品をトラックに展示。京都市内の観光客の目に触れる場所にトラックを移動させ、世界中で問題となっているオーバーツーリズム(観光公害)に一石を投じる。
また、コートジボワールのレティシア・キイ氏は、現在京都に滞在して自身の髪を使った彫刻作品を制作中。記者会見に出席したキイ氏は「アフリカ女性として京都の町を探検し、慣習や名所など美しさを発見したい」と話した。
このほか、今年土門拳賞を受賞した沖縄の写真家、石川真生(まお)氏が1970年代後半、黒人兵のバーに集まる男女を撮影した作品を展示するほか、パレスチナ系米国人のアダム・ルハナ氏が戦争状態にあるパレスチナで人々の日常を切り取った作品を紹介する。(田中幸美)
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