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「のたうち回って下さい」炎上で松江の切腹コンテスト中止 フリマ申請に行政把握できず

産経ニュース / 2024年11月15日 13時2分

松江市役所

腹を切って1分間、のたうち回ってください―。そんなイベントへの参加呼びかけがSNS上で炎上し、中止に追い込まれた。「切腹コンテスト」と題したイベントを巡るひと悶着に会場を提供予定だった行政側は「聞いていなかった」と困惑。企画した主催者は「人の死をあざ笑うつもりなどなかった」と弁明する。

切腹コンテストが開催予定だったのは国宝・松江城がそびえる山陰の城下町、松江市。来月14日に松江市役所で開催するイベントに向け、地元紙の9日朝刊に1通の募集要項が掲載された。

ウエブ上で現在消去されている募集内容は、プラスチック刀で切腹したそぶりをして30秒~1分間のたうち回る演技者を求めるというもの。「迫真に迫る名演技を見せた方が優勝です!」と記載され、備考として、会場を汚さないよう血のり使用を禁じる文言が続く。

松江市役所では新庁舎への改装工事が進んでおり、昨年5月から宍道湖を望むテラスなどを開放。1~2週間に1回、フリーマーケットなどの会場として貸し出しており、昨年度は無料だったが、今年度は1区画あたり、1時間で最大1200円の出展料を徴収している。

市は地元紙のイベント告知欄の記事を見て事態を把握。週明けに主催者側に問い合わせたところ、「フリーマーケットとして出店予定だが、アトラクションとして切腹イベントを考えた」と説明。提出書類には内容として「フリーマーケット」と記載されていた。14日に主催者側から参加取りやめの連絡があったという。

産経新聞の取材に対し主催者は「あまりにも批判の声があった」と中止の理由を説明。SNS上では生命軽視や文化の理解欠如を理由とする否定派と「イベントとして受け入れればいい」とする容認派が乱立している。主催者は「死をあざわらうものではなく、笑っていただければというのが経緯」としたうえで「イベント集客に悩んでいた。打破したくてエンターテイメントの要素を取り入れた」と〝窮状〟を吐露。これまで抽選会やスタンプラリー、ダンスイベントなどを企画したが、集客に結びつかなかったことが背景にあるという。ちなみに今回の切腹イベントの応募者はゼロだった。

市の担当者は「事前相談から出店者側と話はしているが、詳細にすべて聞くのは難しい。市民や来訪者に快適に過ごしてもらえるよう、丁寧に耳を傾けていく」。市は今後も主催者の出店を拒否する予定はなく、罰金などを課す予定もないという。

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