「人口の奪い合いで先がなくなる…」地方創生の先駆け自治体、石破政権へ抜本対策求め
産経ニュース / 2024年11月8日 22時45分
石破茂首相肝煎りの地方創生に向けた「新しい地方経済・生活環境創生本部」の初会合が8日開かれ、政府内の議論がスタートした。地方創生を実現するための制度の中核が、特定の自治体などを対象に規制改革を実行する国家戦略特区だ。関西では、兵庫県養父(やぶ)市が平成26年5月に農業分野の特区に指定され、先駆けとなった。少子高齢化を背景に「多様な農業の担い手確保」を目指し、農業の企業参入に活路を見いだしてきたが、現行制度の限界も見え隠れする。
「特区で取り組んできたことで、農業をしやすい環境とのPR効果を得ている」。指定から10年半がたち、養父市の担当者は手応えを語る。
市が取り組んできた対策の一つに、農地を保有する法人の要件緩和がある。以前は主要役員の過半数を農作業従事者が占める必要があったが、経営の多角化を促すため「1人以上」とした。要件緩和は28年施行の改正農地法にも盛り込まれ、全国に適用された。
営農事業者は今年3月時点で13事業者に上り、農産品の加工・販売まで担う「6次産業化」や施設栽培に取り組む事業者も多い。こうした事業者による営農面積は74・8ヘクタールまで広がり、うち耕作放棄地などから再生した農地が23・2ヘクタールと3分の1近くを占める。
移住者も増加傾向にあり、20代後半から30代の若いファミリー層が中心だ。住宅支援制度の利用件数は平成26年度以降、毎年度30件以上に。新型コロナウイルス禍で地方移住への関心が高まった令和3年度には最多の65件に上り、133人が移住している。
中山間地域の交通機関を確保するため、自家用車で市民や観光客を送迎する「ライドシェア」を展開。医療機関まで足を運びにくい高齢者ら向けにオンラインでの診療や服薬指導を行っている。
ただ特区だけでは解決できない課題もある。市の独自推計では、令和2年に約2万2千人だった人口は20年後に3割減となり、40年後には2年時の半分を下回る9800人余になる見通しだ。
市の担当者は「人口減少に歯止めをかけるため、国が抜本的な対策を講じなければ自治体間で人口を取り合う競争が続き、先がなくなる」と懸念を示す一方、「夢の実現に向けて移住を決める人が増えている。養父市が暮らしやすくなる政策は続ける」と強調した。(藤谷茂樹)
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