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軍艦島映像の悪用検証番組「作らない」とNHK稲葉会長 元島民と調停は「大きな区切り」

産経ニュース / 2025年1月22日 17時50分

記者会見する稲葉延雄会長

NHKの稲葉延雄会長は22日の記者会見で、長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を取り上げた昭和30年放送の番組「緑なき島」の映像を巡り元島民有志と調停が成立したことについて「問題の大きな区切りとなる」との認識を示した。NHKは映像の一部について坑内映像との確認が得られていないと認めた。映像は韓国が戦時徴用を巡る虚偽情報を広める契機とされ、元島民は検証番組の制作を求めているが、稲葉氏は「改めて作ることではないだろう」と語った。

謝罪言及せず

坑内とされる映像は当時の保安規定や元島民の証言と食い違っており、NHKは昨年12月、東京簡裁の調停で元島民有志に対して、坑道内で裸電球を使用している場面などについて「端島炭坑内で撮影されたものであるという確認が得られていない」と認めた。

一方、調停の過程で元島民側は謝罪を求めたのに対し、NHKは「強い遺憾の意を表明」にとどめた。稲葉氏は「問題の映像が問題となっている所を捉えたものかどうか調査したがはっきりしない」と述べ、「裁判での当事者同士の合意は尊重されるべきだ」として、謝罪する考えには言及しなかった。

「韓国でNHKに許諾なく使用されて島民の方々が傷つけられている。大変遺憾に感じる」とも強調した。

「誤報とはいえない」

稲葉氏は誤報かどうかの認識については、「使われた映像が島の映像なのかどうか、今となっては確認できなかった。誤報やいい加減な情報を使ったとかはいえない。相当時間がたっている」と述べ、「作品を勝手に目的外使用するような先に、軽々に譲ったりするのは危険だというのは教訓に残っている」と語った。

「緑なき島」の映像は、NHKが平成22年に韓国の公共放送KBSに提供して以降、他の韓国メディアも含めて「目的外使用」される状況になっている。

NHKは令和3年に元島民側に対して「端島炭坑以外のものであるとの結論に至らなかった」との報告書を提出しており、今回の調停について、担当者は「若干の表現の違いはあるが、同じ趣旨で合意した。当時の放送が誤報とかではない」と強調した。(奥原慎平)

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