女性も理系職場で活躍を 東京都が中高生向け企業ツアー、将来の自分イメージし進路選択

ＣＧを活用した撮影を体験する生徒＝２５日、東京都江東区（當銘梨夏撮影）

ＳＴＥＭ（科学、技術、工学、数学）分野での女性活躍を推進するため、東京都は女子中高生向けの企業見学ツアーを開催している。将来の自分をイメージして進路選択できるよう、夏休みに合わせて１０社の見学が予定されている。

２０１９年度の経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の調査によると、大学などの高等教育機関に入学した理系分野の女性割合は日本が３６カ国中最下位。大学入学前の文理選択の時点で「女性は理系が苦手」などといったアンコンシャス・バイアス（無意識の思い込み）が働いてしまい、理系選択が避けられる傾向があるとされる。

今回の見学ツアーは、中高生らが自身の可能性を狭めることなく、選択肢を広めてほしいと都が開催した。中高生からの関心も高く、応募件数は延べ６４７７件、約１４倍の倍率となった。

２５日に行われた回では、５０人が江東区にあるインターネット広告会社、サイバーエージェントのオフィスを訪れ、巨大なＬＥＤウォールや３Ｄスキャンシステムを使った撮影を体験。女性エンジニアのトークセッションなどを見学した。

参加した中学生は、「エンジニアはずっとパソコンを触っているイメージだったけれど、意外と人とのコミュニケーションがあることを知れて、イメージが変わった。これからもいろんな会社に行っていろんな話を聞いてみたい」と、満足している様子だった。（當銘梨夏）