就職活動で聞かれる「自分がやりたいこと」の探し方とは 「漠然」としていても構わない プロが指南 就活の極意
産経ニュース / 2024年10月10日 14時0分
就職活動では自分のキャリアについて考える機会が増えます。その際、「これは本当に自分がやりたいことなのか?」と多くの人が悩むのではないでしょうか。就職活動に限らず、社会人になってからも悩んでいる人は多いと思います。また、やりたいことを見つけて社会人になったにも関わらず「自分が本当にやりたいことは何か」を考えながら仕事をしている人も多いのではないでしょうか。
社会人でも見つけることが難しいのに、働いたことのない学生が「社会に出て自分がやりたいこと」を探すのは非常に難しいことです。しかし、就職活動では面接の場で、企業に入社後やりたいことは何か?を答えることが求められます。分からない、ではなく答えを出すため〝考え〟、〝できる範囲で確かめる〟必要があるのです。
「自己分析」が重要に
では、就職活動の段階でどのようにしてやりたいことを見つければいいのでしょうか。結論からいうと「自己分析」が重要になってきます。なぜ自己分析が必要なのかというと、人の本質的な部分は20歳までの経験で形成されるといわれています。そのため、自己分析することで自分のやりたいことの方向性を探すことができるのです。
自己分析のやり方については世の中にたくさん出回っていますので大部分は割愛させていただきます。今回は「やりたいこと」の探し方に絞って説明していきます。
やりたいこと「最初は明確でなくても」
いきなりですが「やりたいこと」を探すには注意することがあります。それは、「自分のやりたいことが分からない」という学生は、実は致命的な3つの過ちを犯しているのです。
1つ目、それは「最初は具体的で明確である必要はない」ということです。
内定者である先輩のお話やOBOG訪問をすると『やりたいことを考えてください』といわれることがあると思います。
その際、内定を獲得した先輩や社会人であるOBOGの方は、具体的で明確なやりたいことを話してくれます。具体的で明確な回答は説得力があり、かっこよく聞こえるため、「自分も具体的で明確にしないといけない」と思い込んでしまう学生が多いようです。そのため、無意識のうちに曖昧に思っていたことを排除してしまうのです。
準備の段階では具体的で明確である必要はありません。曖昧に思っていることを否定して無理矢理に押さえ込もうとすると、先に進まなくなってしまい考えるのをやめてしまいます。曖昧でも自分自身でしっかり認識することができれば、その答えを軸に次に発展していくことができるのです。
「現実的である必要ない」
2つ目、それは「現実的である必要はない」ということです。子供のころ、スポーツ選手になりたい、お医者さんになりたいなど多くの人が漠然と描いていたやりたいことがあったことだと思います。しかし、周囲から「そんなのムリ」「現実的じゃない」と言われてしまい、また自分でもそう思い始めて、いつの間にか諦めてしまいます。就職活動においても「自分には無理」と最初から諦めているケースが多いです。
このように本来であれば簡単に見つけられる答えを、自ら排除することで余計に難しくしてしまっているのです。「現実的ではないからムリ」という思い込みを「現実的でなくても自分はこれがやりたい」と認めることで、やりたいことを探すことができます。
やりたいことは簡単に見つからない
最後に3つ目、それは「やりたいことは簡単には見つからない」ということです。就職活動では短期間でやることが多く、効率よく進めようとします。そのため、自己分析も効率を求め早く答えを出そうとします。
しかし、上述したように社会人でも「やりたいこと」を探している人は多いのです。そんな簡単には見つからないということです。少しでも思ったことがあるなら行動しましょう。OBOG訪問やインターンシップ、説明会に参加して「やりたいことは何か」を確認しましょう。そうすることで少しずつ具現化してきます。
やりたいことが分からない、と言っている人は、意外と自分で自分の可能性を閉ざしていることが多いのです。やりたいことを否定しておいて、その一方で「やりたいことが分からない」と悩むのです。
漠然としていても現実的でなくても良いです。自分の中で「やりたいこと」を自分で認めることです。そして、認めたことを少しずつ試していく。これを繰り返すことで、少しずつ「やりたいこと」が明確になっていくのです。(「内定塾」講師 齋藤弘透)
◇
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