電車で感じるオーバーツーリズム、外国人観光客の運賃値上げに一考の余地 from 大阪社会部
産経ニュース / 2024年6月22日 8時0分
仕事で主に京阪電鉄を使う。平日朝のラッシュ時、最寄りの北浜から特急に乗ると、車両にもよるが、座席の多くが埋まっている。目立つのは、大阪都心から「西の観光ゴールデンルート」として京都に向かうインバウンド(訪日外国人客)だ。
滞在時間が限られるだけに、彼らが動き出す時間は早い。この時期、席に座れず立ったままハンカチで額の汗をぬぐうサラリーマンには、同情を禁じ得ない。
京阪は列車種別で乗車位置が異なる。特急であれば足元の△印、準急なら○印といった具合に。○印に並びながら、△印に突然割り込む訪日客が少なくない。逆もしかり。実際に遭遇すると不快感を覚えるが、京阪ユーザーの常識を知るはずもない。これも一種のオーバーツーリズム(観光公害)だろう。
降りる客を待たずに、われ先に乗ろうとする外国人は京阪に限らず、大阪メトロなどでもよく見かける。話し声もひときわ大きい。
近ごろ、鉄道会社は駅員らに対するカスタマーハラスメントについて厳格な対応方針を打ち出す。従業員の職場環境を守るため欠かせない取り組みだが、外国人に向けた乗車マナーの周知にも力を入れてほしい。
現状をかんがみれば、訪日客が急増した2010年代から各社は何をしていたのかという気すらする。自国の常識は日本の非常識と理解してもらわないといけない。訪日客に限って運賃を値上げするなどの措置検討もあっていい。(矢田幸己)
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