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生物の目線が分かる上尾市自然学習館で市内の自然と摘田を学ぶ 埼玉「館」巡り

産経ニュース / 2024年9月28日 10時0分

上尾市自然学習館の外観。左手奥に上尾丸山公園がある=9月、埼玉県上尾市(昌林龍一撮影)

「上尾の自然や文化を学習できる拠点」と掲げている通り、最初に市内に生息する動植物を紹介するコーナーがある。雑木林を再現した展示台は「生物の目線がわかるように」(市生涯学習課)と、もぐらたたきゲームのような穴がある。下から入って首を出し「虫目線」を感じることができる。同公園でみられるカワセミなどの鳥や昆虫の写真パネルもある。

奥に進むと、県内で上尾市周辺に最後まで残っていたという、田植えをしない摘田(つみた)と上尾の歴史・文化を特集したコーナーがあり、解説パネルや、使われた農機具を展示している。

摘田は「種を指でつまんでまく」から由来。取材に同行していただいた生涯学習課の小宮山克己副主幹は「所説あるが、上尾市は中央部の台地が尾根の上のように範囲が狭く、その地形から由来するのではないかといわれている」

台地と荒川などの河川に挟まれた低湿地は水はけが悪く、農業用水の管理が難しい水田が多い。そのため、畑作の収穫期と田植えの時期が重なると人手が足りなくなることから、田植えをしない摘田が上尾では広がったのだとという。

種もみをまくための目安とするスジをつける「ノタクリ」(スジツケ)などの農具が展示されている。手前には、市内で発掘された縄文土器などが展示されていた。

この施設では「学習館」の名前にあるように、館内見学だけでなく、体験学習ができるイベント(事前申し込み制)を開催している。市の広報紙などで告知があり、例えば、丸山公園で採れる草を使った染物をする体験などがある。

館から外に出れば、丸山公園内に遊具やコツメカワウソなどがいる動物コーナーがあり、一日中楽しむことができる。(昌林龍一)

■上尾市自然学習館 平成11年、埼玉県上尾市平方の上尾丸山公園に設立した。上尾市内や同公園にいる動植物の生態などを写真とともに展示している。令和5年12月に館内の一部をリニューアル。国指定重要有形民俗文化財「上尾の摘田・畑作用具」を中心に周辺の遺跡・出土遺物や映像など地域に伝わる歴史や文化を紹介している。

■アクセスガイド 埼玉県上尾市畔吉178。JR上尾駅西口から市内循環バス「ぐるっとくん」平方丸山公園線で「自然学習館」か「丸山公園南口」下車。圏央道桶川北本インターチェンジ(IC)から約15分。無料。開館時間は午前9時~午後5時。駐車場あり。休館日は年末年始。【問】上尾市自然学習館(048・780・1030)

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