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新規法人数が過去最高、埼玉県内は旅行需要でビジネス環境好転 企業の新陳代謝が加速  埼玉経済ウォッチ

産経ニュース / 2024年6月24日 15時27分

令和5年に全国で新しく設立された法人数(新設法人数)は15万3405社と前年比で7・8%増加し、統計を開始した平成20年以降、最多を更新した。埼玉県内で設立された法人数は7262社と、同じく過去最多となった。新型コロナウイルス禍で企業・経済活動が制限されてきたが、令和5年5月に5類相当に移行したことで、新たな事業や独立への意欲がかき立てられ、これまで抑制されていた起業マインドが刺激されたとみられる。

宿泊業の増加率が最大

県内の新設法人を業種別に見ると、宿泊業が24社と前年の12社から倍増し、増加率は最大(母数20社以上)だった。コロナ禍が終わり、国内旅行の需要が増えていることに加え、円安などで日本への旅行人気が高まり、訪日する外国人客が増え、ビジネス環境が好転していることが数を押し上げたとみられる。

他方、減少率で最も大きかったのは建築材料・鉱物・金属材料等卸売業で22社と前年の34社から35・2%減った。市場における原材料価格の上昇など、業界環境の厳しさから新規参入・起業に二の足を踏む人が多かった可能性がうかがえる。

また、地域(市区郡)別に見ると、川口市が構成比14・0%の1018社(前年比15・5%増)と昨年に続いて県内で最多社数となった。次いで越谷市が構成比5・5%の398社、さいたま市大宮区が構成比4・4%の324社と続いた。

淘汰進み新陳代謝が加速

新設法人が過去最多件数を更新した一方で、同じく5年に休廃業・解散した企業は全国で4万9788社(前年比0・3%増)、県内では2287社(同11・8%増)に上った。さらに、企業倒産も全国で8690社(同35・1%増)、県内で339社(同19・0%増)と休廃業・解散、倒産ともに増加した。自立・自走できない企業の淘汰が進む中、企業の新陳代謝が加速したといえそうだ。

街中や商談の場でもマスク姿の人が減り、コロナ禍は終焉を迎えたといえるが、人手不足や原材料価格の高騰など、企業が抱える問題はむしろ広がっている。このような環境をチャンスと捉え、起業する人が増えていることは歓迎すべきで、既存の企業や事業と融合し、新たな価値やビジネスを創造してくれることに期待したい。

創業期には資金も少なく、事業が不安定になりやすい側面もあり、地域や産業特性も加味した細やかなプランニング、支援を行うことが求められる。新設法人の支援の拡充が、既存企業の活性化にもつながるのかもしれない。(佐々木博司・東京商工リサーチ埼玉支店長)

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