滋賀県立琵琶湖博物館の水槽 CFで完全復活へ、亀田佳代子館長が考える究極の博物館とは しがnote
産経ニュース / 2024年8月28日 16時30分
滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市下物町)のビワコオオナマズ水槽破損事故から1年半あまり。同館では、トンネル水槽など10個の水槽を交換したクラウドファンディング(CF)第1弾に続き、28日から、ビワコオオナマズ水槽など2水槽の再生を目的としたCF第2弾をスタートさせた。順調にいけば、令和6年度末には完全復活となる。そして、2年後には開館30周年を迎える。そんな節目にあたり、今年4月に就任した亀田佳代子館長(58)に話を聞いた。
――目指すものは
「琵琶湖そのものの魅力、価値をしっかり地域の方たちと発見して世界に発信していくのが博物館の大きな役割だと思っている」
「琵琶湖は世界でも有数の古代湖。400万年の歴史がある。湖の歴史だけをみると、もっと長いところが世界にはあるが、人と自然が一体となった場所というのがすごく琵琶湖の特徴になっている。世界的にも多くない。ただ、知られていない。多分、滋賀の方とか当たり前なので、それがすごい価値があるとか思わず、普通のことのようにしみ込んでいる。なので宣伝をすることではないと思われている。外からみると、結構、『琵琶湖ってこんなんだったんだ』ということがたくさんあるので、知られていないのがもったいない。国内のみならず世界的に発信していけるといいと思っている」
≪円柱状のビワコオオナマズ水槽(直径5・1メートル、高さ3・8メートル)が破損したのは令和5年2月10日午前8時前。幅約2メートルにわたりアクリルパネルが大小20個の破片に割れた。事故後の点検で、同館最大のトンネル水槽(水深6メートル、水量約400トン)など13基に破損の危険性が高いヒビ割れが見つかった。同館は水族展示復活のためのプロジェクト「みんなでつくる新水槽」をスタート。第1弾としてトンネル水槽内のアクリル製窓の交換費などとしてCFを昨年11月15日~今年1月31日に実施。延べ796人から計1159万3000円の支援が集まった≫
――CFでわかったことは
「すごくみなさん応援してくださっているということ。『頑張ってください』とか『家族で来てました』という声が多くて、本当にありがたいなと思っている。琵琶湖博物館というのは親しみを持って、愛されてきたんだなと改めて感じた」
――CFのよさは
「資金で応援してくださるという形ではあるが、お金には代えられないというか、博物館に参加してもらう仕組みの一つというとらえ方をするのが、結構、しっくりくる。資金をいただけることもありがたいが、みなさんと一緒に作った展示ですよという形で作っていきたいなと思っている」
――完全復活の先にあるものは
「開館当初から地域の人と一緒に活動していくとか、地域の人の活動を応援するみたいな形、姿勢でやってきている。今回の水槽再生、CFもそういう姿勢の一つでもあるし、外の人に博物館を使ってもらうという、こちらから何か知識とか情報を上から渡すんでなくて、みなさんにフラットな形で使ってもらうという意識でやって来ている。地域のみなさんが活動するのに役立つ博物館が作っていければいいなと思う」
――最後に
「変ないい方をすると、ある意味、究極の理想は、博物館は限りなく縮小して、博物館がなくても地域のみなさんがみんなそれぞれ独立して、活動が盛んにおこなわれていればいい。ある意味、博物館としてはそれが理想の形みたいなところもある。究極をいいますと」
かめだ・かよこ 昭和41年、神奈川県出身。筑波大学第二学群生物学類卒業。その後、同大大学院環境科学研究科修士課程修了、平成8年3月に京都大学大学院理学研究科博士後期課程を修了し、同年12月に開館直後の琵琶湖博物館に学芸技師として採用される。以降、同館の研究部長、副館長を経て令和6年4月から館長。専門は動物生態学で、研究テーマは、「生態系における鳥類の役割(主な対象:カワウ)」など。学生時代はキジバトの繁殖生態を研究していた。
CF第2弾はビワコオオナマズ水槽の復活
28日にスタートした琵琶湖博物館のクラウドファンディング第2弾では、ビワコオオナマズ水槽と、同じ形状のコアユ水槽の2水槽復活を目指す。当初の目標は2000万円で、実施期間は今年11月25日までの約3カ月。
返礼品には、「新水槽完成お披露目内覧会 学芸員の解説付き」(寄付額5万円)、「A展示室 ゾウの展示の大掃除」(同3万円)、「特別感謝状(お魚ポスター特別版)」(同1万円)など、琵琶湖や同館の魅力を感じてもらえるものを用意している。詳細はを参照。(野瀬吉信)
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