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スタッフも参加者も高齢者 孤食防ぎ談笑「おしゃべり食堂」が人気

産経ニュース / 2024年8月21日 19時54分

おしゃべり食堂で提供するメニューを調理する女性たち

地域の高齢者のために元気な高齢者が会食の場を提供する奈良県平群町の「おしゃべり食堂」が、人気を集めている。町長寿会連合会が月1回開催し、ボランティアのお年寄りらが調理した昼食を、参加したお年寄りたちが味わいながら世間話に花を咲かせる。町も、高齢者の生きがいづくりや孤食防止などに有効だとして運営に協力。同団体は、この取り組みを町内各地に広げたい考えだ。

おしゃべり食堂は、町保健福祉センター「プリズムへぐり」を会場に、毎月第4土曜日の午前11時半から開催。参加費300円でカレーライスと飲み物、デザートなどを提供する。参加定員を50人としているが、毎回これを上回る申し込みが集まる人気ぶりだ。

長寿会は各地の「老人クラブ」に当たる組織で、おしゃべり食堂の参加者は長寿会員であることが条件。調理や会場整理なども会員らが担当している。

「食事をしながら、隣の人と健康の話題やおいしい食べ物のことなどをおしゃべりでき、頭の活性化につながっています」と話す常連客。調理のリーダーを務める女性も「『おいしかった』『また来るわ』と言ってくれる笑顔がうれしい」とやりがいを感じている。

企画・運営する町長寿会連合会は約10年前から加入者の減少に悩まされ、高齢者のニーズについて模索。平成30年4月に「相互支援事業部」を組織内に設け、家にこもりがちなお年寄りのために外出や他人と触れ合う機会として会食サービスの実施を検討し、「おしゃべり食堂」と名付けて昨年5月に営業を始めた。

「『元気なお年寄りが元気なうちに、そうでないお年寄りを支える』がコンセプト」と岡嘉道会長(83)。飲食業の営業許可取得という難題にも直面したが、事業の規模や性格などを考慮して、営業許可が不要な「調理実習」との見解が当局から示され、開業にこぎつけたという。

また、町はプリズムへぐりの調理や会食の設備利用料を徴収しないなど、取り組みに協力。さらに、おしゃべり食堂の人気ぶりを受け、町の高齢者向け会食サービスについても、同団体の協力を得てサービスの充実や利用の拡大を図っていく考えだ。

岡会長は「運営のノウハウを町内に37ある各長寿会とも共有し、複数箇所で食堂を展開できれば、さらに多くの高齢者が利用しやすくなる」との思いを抱く。町福祉課も「おしゃべり食堂の取り組みは高齢者同士の交流、生きがいづくり、孤食防止などにつながっており、各地への広がりにも協力したい」としている。

(小林宏之)

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