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北の鉄路を考える① 駅弁にビールがない!の巻 帰ってきた令和阿房列車で行こう 第三列車

産経ニュース / 2024年6月20日 10時0分

函館本線長万部13時29分発俱知安行き各駅停車に乗るため、6月某日午前、新千歳空港に降り立った。もちろん、第二列車で書いたように、JALに乗ったかANAに乗ったかは明かせないのでご容赦のほどを。

賢明な読者の皆さんは、なぜ新幹線と特急北斗を乗り継いで長万部まで行かないのか、といぶかしまれたのではないか。

実は冒頭の列車に乗るためには、東京6時32分発のはやぶさ1号に乗車せねばならぬが、都心から遠く離れた我が家からでは間に合わぬ。内田百閒先生御(ご)贔屓(ひいき)の東京ステーションホテルに泊まればいいのだが、いかに心優しきフナッシー局長もいい顔をしないはずだ(宿泊予約サイトで同ホテルの1泊料金を検索してみてください。局長の気持ちがよくわかります)。

次の新函館北斗行きは8時18分発で、長万部に13時43分に着くが、14分差で発車してしまっている。次の列車は3時間近くも後だ。

ヤマ線と呼ばれる函館本線の長万部―小樽間でも長万部から俱知安までは列車本数が少なく、長万部発は1日4本しかない。そのうえ東京方面からの接続が最悪とあっては、「よそ者は乗ってくれるな」といわんばかりのダイヤ編成である。

やむなく新千歳空港駅から1駅先にある南千歳駅11時27分発特急北斗10号で長万部に向かうことにした。

ちょうどお昼どきだが、北海道の特急に車内販売はない。新千歳空港駅の改札口近くに設けられた仮設の弁当売り場で「北海道産花咲蟹と道産牛」弁当を買い求めた。だが、ビールがない。売り子さんが「南千歳駅に売店があります」と言うので、とりあえず電車に乗った。

確かに駅待合室に売店はあった。ホームにある弁当売り場は、空港駅よりも充実していた。だが、いずれもビールは置いてなかった。

小生は何を隠そう競馬依存症ではあるが、アルコール依存症ではない。だが、駅弁にビールがないのは、クリ〇プを入れないコーヒーのようなもの(何も入れなくてもうまいコーヒーはあるが)。しかもご当地の目と鼻の先には、サッポロビ〇ル庭園駅があるではないか(〇は共通の伏せ字です)。

仕方なく、ご当地名物「とうきび茶」をお供にした。さっぱりして良かったが、釈然としない。ビールが吞(の)めなかったくらいで文句をつけるのもはなはだ大人げないが、JR北海道にいま最も欠けているのは、サービス精神ではないか。

JR沿線に日本ハムの新球場がせっかくできたのに、いまだ新駅ができていないのもそう。車内販売も駅売店もやりようによっては、十分収益事業になり得るのに工夫が足りない。

何よりも北海道新幹線の札幌延伸頼みで、赤字ローカル線をなんとか活性化させようという熱意がみられないのだ。

JR北海道だけではない。国や道、市町村が北海道の交通政策にまともにとりくんでこなかったツケが今、まわっている。

ビールの恨みで「主張」のようになってしまったが、明日はヤマ線のこころだぁ!(乾正人)

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