子供のいない配偶者に遺族基礎年金は給付されません 100歳時代の歩き方 イマサラQ＆A

Q　遺族年金は子供がいる、いないで影響がありますか

A　ここで子供とは18歳になる年度末を迎えるまでの子を指します。遺族基礎年金は子供のいる配偶者または子供にしか給付されません。子供のいない配偶者は遺族基礎年金の対象ではないのです

Q　子供のいない配偶者が受給できるものはありますか

A　亡くなった人が会社員などでしたら遺族厚生年金を受け取れることが多いでしょう。厚生年金を受給できない場合、国民年金の独自給付として、寡婦年金や死亡一時金があります

Q　寡婦年金や死亡一時金とは何ですか

A　寡婦年金は「死亡した夫が老齢基礎年金の受給資格を満たしている」「婚姻期間が10年以上」などの条件を満たすと受給できます。妻だけが対象で、夫の保険料納付期間から算出した老齢基礎年金の4分の3の額が60歳から65歳まで給付されます。死亡一時金は一定の条件下、保険料納付期間に応じた額を受け取るものです。35年以上納付した場合、32万円です。寡婦年金と死亡一時金はどちらか一方の受給になります

Q　先々週、遺族厚生年金は男女で扱いに差があると教えてもらいました

A　子供がいない夫婦の場合、夫が亡くなった妻は受給できるのに対し、妻が亡くなった夫は55歳未満だと受給の権利がない－などのことですね。夫の死亡時に40歳以上65歳未満で、生計を維持されていた妻への中高齢寡婦加算も、妻が亡くなった夫には支給されません。実際、遺族厚生年金を受給しているのはほとんどが妻です

Q　夫が生計を支えているという前提で制度が作られたためでしょうか

A　そうでしょう。ただ、女性の就労が進むなど、社会情勢が変わってきたことを受け、国の審議会では年金制度上の男女差を解消する方向で議論が進んでいます。妻だけが対象の中高齢寡婦年金や寡婦年金は段階的廃止が検討されています

（回答者　社会保険労務士　當舎（とうしゃ）緑）