「マルビル」また会う日まで、9月で解体終了 加速する梅田の再開発
産経ニュース / 2024年10月18日 20時40分
マルビルがついに消えた-。茶色い円筒形の外観が特徴的だったJR大阪駅南側の「大阪マルビル」の解体工事が9月に終了した。携帯電話が普及する前、知人や恋人らとの待ち合わせスポットとしても知られた梅田のランドマークだったが、老朽化で昨年5月、約50年の歴史に幕を閉じていた。(岡嶋大城)
大阪マルビルは昭和51年4月に開業した。ビルを所有する大和ハウス工業によると、高さ約120メートル(地上30階建て)で直径はおよそ30メートル。茶色を基調とした円筒形の形状や緑色のツタがはうユニークな外観で知られ、屋上の電光掲示板は「回る掲示板」の愛称で親しまれた。飲食店やホテルなどが入居していたが、老朽化で昨年5月に営業が終了。翌6月から今年9月までの1年以上にわたり解体工事が進められていた。
跡地は令和7年の大阪・関西万博会場へと向かうバスのターミナルとして活用され、その後は令和12年の完成を目指して新ビルが建設される。
梅田エリアでは、大阪駅を取り囲むように大規模再開発が加速する。
阪神百貨店梅田本店を隣接する新阪急ビルと一体的に建て替えた「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」が令和4年に開業し、再開発地域「うめきた2期(グラングリーン大阪)」が9月に先行まちびらきした。阪急大阪梅田駅周辺でも「阪急三番街」などのリニューアル計画が本格化する。
梅田近くの実家で長年、飲食店を営む80代男性は大阪の玄関口としての機能が強化されることを歓迎しつつ、「地元なのに知らない場所が増えた」と少し寂しげな表情を浮かべていた。
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