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はやる「盛れない」SNS 直球&曲球 中江有里

産経ニュース / 2024年8月1日 10時0分

スマートフォンで撮影する人たち=東京都千代田区(松井英幸撮影)

現代のコミュニケーションで欠かせなくなった交流サイト(SNS)。日常の風景、今日の食事に着ている洋服などを写真に撮りシェアして、フォロワーに「いいね」ボタンを押してもらう。「インスタ映え」という言葉があるように、画像を加工し、すてきに見えるように写真を「盛る」のも珍しくない。

最近教わった新たなSNSアプリ「ビーリアル」は「飾らない」というのがテーマ。アプリの通知が来たら2分以内に写真を撮ってシェアする。通知が来る時間はまちまちで予想ができない。例えば髪が乱れていたり、汗だくだったり、こちらの都合は関係なく、時間の制限もあるので結果的に写真を「盛れない」。

つまりリアルな自分をシェアできる。そして誰かの盛っていない姿を見て共感する。フォローや「いいね」の機能がないので数字に踊らされることがない。これまでにない脱力したコミュニケーションツールだ。

「盛れない」「映えない」SNSがはやっているというのはなぜだろう。

すてきな自分を演出すると「いいね」をもらえる。SNSは気軽に承認欲求を満たせるが、盛った自分は現実の自分とは違う。きっと相手も同じだ。では何を信じればいいのか? 現実とのギャップに疲れる、ということもあるのかもしれない。

SNSは一度も会ったことがない人とも交流できる。昔でいうなら文通みたいなものかもしれない。交流手段は違うが、やっていることはそれほど変わらない。

新型コロナウイルスの感染拡大でSNSはさらに広まった。わたしの場合は親族間でやり取りすることが劇的に増えた。電話だと相手の都合を考えて控えてしまうところ、SNSなら気軽にメッセージを送れる。会った後に一緒に撮った写真を送り、誕生日にはメッセージだけでなく、お祝いの電子クーポンを送ることができる。

SNS特有のリスクもあるが、できるだけ盛らずに使えば、こんなに便利なものはない。

中江有里

なかえ・ゆり 女優・作家・歌手。昭和48年、大阪府出身。平成元年、芸能界デビュー。多くのテレビドラマ、映画に出演。本にまつわる講演や書評も手がける。著書に『万葉と沙羅』(文春文庫)など。文化審議会委員。

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